Amazon Vineとは?費用やメリット、設定方法もわかりやすく解説
-
投稿日
-
更新日
- Amazonネットショップコンサル記事

Amazonで商品を販売する場合、レビュー数と評価が売上に大きく影響します。購入の決め手にレビューが参考にされる上、レビューが充実していると、Amazon上で商品ページが露出されやすくなると言われているからです。
しかし、新商品や売上の少ない商品ではそもそも購入数が少なく、レビューを集めにくいのが現状。
そこで本記事では、そんな悩みを解決する「Amazon Vine」について徹底解説します。Amazon Vineのメリット・デメリットを紹介し、実際の設定方法も画像付きで説明しますので、ぜひ最後までご覧ください。
[st_toc]
Amazon Vineとは
Amazon Vine先取りプログラム
Amazon Vineとは、正式には「Amazon Vine 先取りプログラム」と呼ばれており、公式サイトでは以下のように説明されています。
Amazon Vine先取りプログラムは招待制のプログラムで、Amazonストアで最も洞察力のあるレビュアーをVineメンバーとして選出します。Vineメンバーには、商品を無料で注文し、Amazonのお客様と商品体験を共有して、情報に基づいた購入決定を支援するユニークな機会があります。
Amazon Vineは、Amazonが選定したユーザー(Vineメンバー)に、新商品や予約商品等を無料で提供することで、高確率でレビューを獲得できる仕組みです。
明確に公表されてはいませんが、Amazon上で露出機会を増やすには、レビュー件数や評価の高さが影響していると言われています。また、多くのユーザーはレビュー = 信頼性と考えるため、レビューが多いことで商品ページのクリック率も上がる傾向があり、レビューの充実は売上向上に繋がります。
2022年に行われた社内調査によると、商品が掲載されてから最初の90日間に商品レビュー数が増加すると、同じ期間における商品ごとの商品詳細ページの閲覧数も増加することが明らかになりました。最初の90日間のレビューが0件からわずか1件増加する場合でも、同じ期間におけるASINあたりの商品詳細ページの閲覧数は41%増加するようです*。
*2022年のAmazon.com内部調査に基づくデータ
Amazon Vineのレビュアーはどんな人?
Amazon Vineのレビュアー(Vineメンバー)は、Amazonを利用している一般ユーザーの中から選ばれています。
プログラムは完全招待制となっていて、普段から公平・良質なレビューを行っている方に、AmazonからVineメンバーへの招待が届きます。
ただしVineメンバーとしてレビューを行った場合は、以下のように「Vine先取りプログラムのカスタマレビュー」と記載されるため、他のユーザーと見分けがつくようになっています。
出典:アマゾン
Amazon Vineのメリット 3選
Amazon Vineのメリットは、「①高品質で」「②高評価なレビューを」「③短期間で集めやすい」という点にあります。そのため、以下のような方にはメリットが大きいプログラムです。
- 新商品などの売上を伸ばしたい方
- 商品改善のためのフィードバックが欲しい方
その理由を詳しく解説します。
①高品質なレビューを獲得できる
Vineメンバーは、Amazonから選ばれた優良レビュアーです。そのため、以下のような要素を含んだ質の高いレビューが多く、一般ユーザーの購入を後押ししてくれます。
- 写真の添付
- 具体的な使用感の記載
- 第三者視点で、商品価値の解説
その分、改善点も率直に指摘してくれる事がありますが、誹謗中傷のような悪意のあるコメントはめったにありません。改善点は真摯に受け止め、今後の商品開発や商品ページの改善に役立てましょう。
②高評価を得られる可能性が高い
Vineメンバーには商品を無償で提供する事もあり、★★★ ~ ★★★★★の高評価をつけてくれる事が多いです。
一般的に、商品にネガティブな感情を持ったユーザーほど、レビューを書き込む傾向があるため、高評価のレビューが残ることは大切になってきます。
一方で、商品ページがきちんと入力されていなかったり、商品の完成度が低い場合は、レビューの評価が下がってしまいます。
特に商品ページには、商品の特徴やポイント、使用時の注意点などを事前に記載し、Vineメンバーに商品の価値を適切に理解してもらえるようにしましょう。
③短期間でレビューが集まる
自然にレビューを集めるには、一定の販売量と時間が必要です。
Amazon Vineを活用すれば、新商品でも多くは1週間程度でレビューが集まります。レビューを書かなかった場合、Vineメンバーから外される可能性が高いため、レビュー率は一般ユーザーよりも高くなっているのです。
レビューが充実していることは、消費者にとっての安心材料となりページ閲覧率や成約率に影響するだけでなく、Amazon上で露出機会を獲得するためにも重要だとされています。
そのため、まだ販売実績の少ない新商品などでAmazon Vineを利用することで、長期的な売上向上が期待できます。
Amazon Vineのデメリット 3選
このように、販売数を伸ばしたい事業者にとってメリットが大きいAmazon Vineですが、同時にデメリットも存在します。
- 低評価をもらう可能性もある
- レビューは強制できない
- 費用がかかる
①低評価をもらう可能性もある
Vineメンバーには、公正なレビューを行うユーザーが選ばれています。
そのため、商品の品質や梱包状態などに問題がある場合、以下のように評価の低いレビューが行われる可能性があります。たとえマイナスなレビューが行われても、編集や削除などの対策は用意されておりません。
商品ページで十分に商品の魅力を伝えるのはもちろん、クオリティに自信のある商品でAmazon Vineを活用しましょう。
②レビューは強制できない
Amazon Vineでは、最大30人までレビューをお願いすることが出来ますが、全員がレビューを行うわけではありません。
Vineメンバーは、レビューを書かないと次のVineに参加できないため、レビュー率は一般のユーザーより高い傾向にありますが、規約上レビューを強制することはできません。
またレビューのタイミングも指定できないため、欲しい時にレビューが返ってこないケースがあります。特に季節ものの家電やクリスマスグッズなど、シーズナル商品はその時期までレビューが行われないケースが多いです。
Amazon Vineのレビューに頼った販売計画を組んだ場合、計画通りにレビューが集まらない可能性があるため、注意が必要です。
③費用がかかる
Amazon Vineを利用するには、いくつかの費用が発生します。上記で紹介したように、期待したレビューが返ってこなかった場合、費用対効果に見合わなくなる可能性があります。
また商品を無償で提供するため、原価が高い商品の場合、同様に費用対効果に見合わず原価率を圧迫するケースもあります。発生する費用については次章で詳しく解説しますので、自社の商品にAmazon Vineが有効に働くか、きちんとチェックしておきましょう。
Amazon Vineの費用は?
Amazon Vine 先取りプログラムでは、主に3種類の費用がかかります。
- 登録手数料
- 商品原価
- 出品・販売手数料やFBA配送料
①登録手数料
登録手数料とは、親ASINごとに1回のみ発生する手数料です。
以前は一律22,000円でしたが、2023年10月19日の価格改定により、1~2点の利用であれば無料で利用できるようになりました。(例えば2点の場合、商品を2名のVineメンバーに提供するため、獲得できるレビュー数も最大2件となります。)
ただし一度ASINを登録すると、別の区分に変更することはできません。一度1~2点の区分で登録後に「やっぱり最大の30点までレビューを獲得したい」と思っても区分は変更できませんので、利用する際はご注意ください。
区分 | 登録手数料 |
---|---|
1~2点 | 無料 |
3~10点 | 10,000円 |
11~30点 | 22,000円 |
なお、商品の登録後90日以内にレビューが1件も投稿されなかった場合は、登録手数料は請求されません。
1つの親ASINまたは単独ASINにつき3点以上の商品を登録し、登録日から90日以内に最初のレビューを受け取った場合のみ、Amazon Vineの登録手数料が請求されます。FBA手数料やその他の通常手数料は引き続き適用されます。
②商品原価
Amazon Vineでは、実際に販売している商品を提供するため、その分の商品原価がかかります。
家電や家具など、高単価な商品でAmazon Vineを利用する際は、費用対効果に見合った施策になるかを十分考慮しましょう。
③出品・販売手数料やFBA配送料
最後に忘れがちなのですが、Amazon Vineを利用した商品の提供についても、通常の販売と同様に出品手数料や販売手数料、FBA配送料が発生します。
▼Amazonの出品手数料と販売手数料
プラン名 | 出品手数料 (月額料金) |
販売手数料 (システム手数料) |
小口出品プラン | 0円/月 | カテゴリーごとに8%〜15%
1商品ごとに100円の手数料 |
大口出品プラン | 4,900円/月 | カテゴリーごとに8%〜15% |
手数料の詳細やFBA配送料、その他の費用については、Amazon公式サイトよりご確認ください。
Amazon Vineの利用条件とは?
Amazon Vineを利用するには、以下2つの条件を両方とも満たしている必要があります。
- 出品者の条件
- 出品商品の条件
①出品者の条件
出品者の条件は、以下の3点です。
- 大口出品者であること
- 対象となるFBA出品商品を保有していること
- ブランド所有者として認識されていること
この中でも特に難しいのが、3つ目の「ブランド所有者として認識されていること」です。
Amazonのブランド登録には、出品する商品の商標取得が必要です。これから取得を行う場合は、最低でも3万円程度の費用と、半年程度の日数を要するケースが多いです。
②出品商品の条件
また出品者の条件だけでなく、対象となる商品も以下の7点をクリアしている必要があります。
- Amazon Brand Registryに登録されているブランドであること
- 商品詳細ページのレビュー数が30件未満であること
- 「新品」の購入可能なFBA出品商品であること
- アダルト商品、デジタル商品、重くてかさばる商品ではないこと
- Amazon Vine登録時点で出品が開始されていること
- 在庫がある状態で出品されていること
- 商品の画像や説明が正しく登録されていること
Amazon Vineの利用条件について、もっと詳しく知りたい方は、Amazonの公式サイトよりご確認ください。
Amazon Vineを始める 4ステップ
登録は大きく4ステップ。ブランド登録さえ終了していれば、5分程度で利用を開始できます。
- Amazon Brand Registryでのブランド登録
- Amazon Vineの利用を開始
- ASINを検索
- ユニット数を登録
①Amazon Brand Registryでのブランド登録
まずは出品したい商品のブランド登録を行う必要があります。
ブランド登録について詳しくは、Amazon公式サイトよりご確認ください。
②Amazon Vineの利用を開始
Amazonセラーセントラルにログイン > 広告 > Amazon Vine > Amazon Vineの利用を開始する
の手順で利用を開始しましょう。
③ASINを検索
次に、Amazon Vineを利用したい商品のASINを検索します。
ASINとは、商品固有の識別番号のことを指します。
例)商品リンクが以下のケースでは、「A012BCD3EF」がASINです。
https://www.amazon.co.jp/(商品名)/dp/A012BCD3EF/…
▼ASINについて詳しく知りたい方はこちら
AmazonのASIN(エイシン)とは?調べ方・作成方法・取得方法を解説!
④ユニット数を登録
Amazon Vineに登録したい商品が決まったら、登録したいユニット数を入力し、「登録」を選択しましょう。
ここで登録したユニット数に応じて、Vineメンバーが募集されると同時に、Amazon Vineの登録手数料が決定されます。
こちらでAmazon Vineの登録は完了です。
登録を行った後は、管理画面(Amazon Vine ダッシュボード)よりステータスの確認ができます。
▼ステータス一覧
- 完了:レビューを上限まで受け取った商品、もしくは登録から90日以上経過した商品。
- レビュー中:上限には達していないものの、レビューが投稿されている商品。
- レビュー待ち:登録は正常に行えたがまだレビューを受け取っていない商品。
- 販売パートナーによりキャンセル:Amazon Vineへの参加をキャンセルした商品。
- 対応が必要:何らかの理由でブロックされてしまった商品があること。
Amazon Vineの注意点
在庫管理を忘れない
Vineメンバーに商品が提供されると、通常の注文と同じように在庫が引かれます。
せっかくレビューを獲得しても、「在庫切れ」の商品ページは露出機会が減る傾向にあります。Amazon Vineの効果を最大限活かせるよう、Vine用の在庫も含めて十分に確保しておきましょう。
再登録は不可
Amazon Vineの商品登録は、1つの親ASINに対して1回までの登録となります。
そのため、
「まずは無料の1~2点区分で申し込んで、あとから11~30点区分に申し込もう」
「一度Amazon Vineを実施したが、レビューが30件未満なのでもう一度利用しよう」
といったケースには対応しておりません。
レビュアーとの直接連絡は禁止
Vineメンバーとは、直接やり取りができません。
例えば、否定的なレビューが投稿されたからといって、レビュアー(Vineメンバー)へ接触を試みることも禁止されています。このルールに違反するとAmazonから調査対象となる可能性があります。
またレビュアーを集めるために、SNSやネット掲示板などで「Vineを活用している」のような宣伝方法をする行為も規約違反となります。
Amazon Vine以外でレビューを獲得する方法
これまでの説明を読んで、
「Amazon Vineは難しそうなので、他にレビューを方法を知りたい」
「Amazon Vineと合わせて、よりレビューを獲得する方法はないの?」
と感じた方へ、Amazon Vine以外でレビューを獲得する方法を2つご紹介します。
レビューリクエスト
商品の購入者に、レビュー実施を促すメールを送付できます。ただし送付できるのは、購入から5~30日以内となっています。
▼利用方法
セラーセントラル > 注文 > 注文管理 > 注文番号を選択 > レビューをリクエストする
タイムセール・クーポンの活用
タイムセールやクーポンの活用も、レビュー数の拡大が期待できます。直接的にレビュー投稿を依頼するわけではありませんが、販売数が伸びれば一般ユーザーからのレビューも増加します。
また商品を安く購入できたというお得感から、評価の高いレビューをもらいやすい点もメリットです。
まとめ
本記事では、レビューを獲得するための「Amazon Vine 先取りプログラム」について解説しました。
- Amazon Vineとは、優良レビュアーに商品を無償で提供し、レビューをお願いする仕組み
- 特に新商品や予約商品など、販売実績が少なくレビューが溜まりづらい商品に有効
- ただしレビューは強制できない上、費用もかかるので、レビューリクエストや販促施策と掛け合わせて効果を最大化したい
レビュー獲得 → 成約率の向上 → 販売数の増加 → レビュー獲得 → … の良い連鎖に入れるよう、Amazon Vineをしっかり活用しましょう!
無料でWEBマーケティングの
ノウハウをお話しています
WEB集客やネットショップ運営などでお悩みがあれば一度ご相談ください。ご相談は無料で行なっております。
通販お役立ち資料無料ダウンロード
この記事を書いた人
株式会社ALL WEB CONSULTING
代表取締役
江守 義樹(えもり よしき)
WEB解析士協会 上級WEB解析士
ネットショップ店長として0ベースからショップ運営を行い約1年で月商1,000万規模のショップに育成。
その後、ECサイト専門のコンサルティング会社に勤務し、月商数億規模のサイトから立ち上げたばかりの小規模なサイトまで数百社のECサイトのサポートを行う。
2018年に前身であるLOCUSコンサルティングを創業。
2020年ECサイト・ネットショップ支援に特化した株式会社ALL WEB CONSULTINGを創業し代表取締役に就任。
データアナリストとしてサイト解析を軸にした戦略的なSEO対策、サイト制作、WEBプロモーション、などEC支援全般のスペシャリストとして活動中。
マーケティングチーム
ALL WEB CONSULTINGのマーケティングチームです。
全国のネットショップをエンパワーメントするをミッションに、各専門家が集まってECサイトの支援を行っています。楽天・Amazonなどのモール系ECから自社ECまであらゆるECに役立つ情報を発信していきます。