【2025年最新】失敗しないネットショップの始め方~基礎編|手順・費用・注意点や成功のポイント

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はじめに|ネットショップを始めたい!開業する前に押さえておくべきこと

オンラインで簡単に開業・出店できるネットショップ。EC(インターネットコマース)とも呼ばれますが、どのくらい簡単に始められて、どのくらいお金がかかるものなのか、ざっくりでいいから教えて欲しい!という方は多いですよね。また、開業・出店したあともどのくらい大変なのか、成功するためにはどんな要素が必要なのかということも知りたい方は多いと思います。今回は、ネットショップを始めるにあたって押さえておくべきポイントについて解説します。

これからオンラインで開業や出店を考えていらっしゃる方には必見の内容です。

手順1|売り物(商品)を決め、事業計画を立てる

ECサイト(ネットショップ)で売り上げを立てるためには、まず売り物(商品)が必要です。商品はネットショップにとって命ともいえるほど重要なものです。

この商品が利益を上げられるかどうかが、ネットショップの成功を左右します。需要がある商品であれば大成功も夢ではありませんし、需要がない商品であれば残念ながら長く続けることはできません。

「ネットショップを始めたい!」と思った方は、まず商品を決め、その商品がどれくらいの利益を出せそうかを計算するところから始めましょう。ポイントは、「1商品ごとにかかるコスト」と、「月額で(店舗全体に)かかるコスト」を分けて算出することです。

以下に項目をまとめましたので、実際にコストを割り出して原価を計算してみることをおすすめします。

商品価格を決める際に必要な原価

商品ごとにかかるコスト=原価 月額でかかるコスト=固定費
・商品原価(仕入れ原価/製造原価)
・梱包資材費
※モールロイヤリティ(1点ごと)
・人件費
・固定費(事務所の賃料・水道光熱費)
・諸経費(事務用品・ページ制作費など)
・広告費
・送料
※モール出店料

※のモールロイヤリティや出展料は、モール出店をする場合のみの費用で、ASPカート出店の場合はかかりません。その代わり、集客にお金がかかるため広告費がかさむ可能性があります。

「送料は商品ごとにかかるコストではないの?」と疑問に思われるかもしれませんが、月額でかかるコストのほうで試算することをおすすめします。なぜかというと、多くのネットショップでは商品販売数に対して送料が比例しないからです。さらにわかりやすく言うと、商品を2つ一度に購入した場合でも送料は1回分となる、ということ。「1商品ごとにかかるコスト」はあくまでも販売商品数に比例するもので算出しましょう。

何にいくらくらい費用がかかるかを計算していくと、商品の「原価」と、月の「固定費」が割り出せます。仮に月に10個商品が売れると仮定して、ざっくりとひと月に必要な費用(コスト)を出してみてください。すると、「ひと月分のショップ運営にどれくらいの売上が必要か」という売り上げの目安が割り出せます。赤字にならないギリギリのラインです。これを「損益分岐点」と言います。このラインを越えたら利益が出るというわけです。

10個売れるというのは達成できるかどうかわからない仮の数字ですが、現実に達成可能な損益分岐点を割り出すことで「売値」を決めることができます。どのくらいの利益を稼ぐことができるかは、この売値にかかっています。様々なシミュレーションをしながら、事業計画を立ててみましょう。

ネットショップ初心者でありがちな失敗は、売値を安く設定してしまうことです。人件費も固定費も、はじめのうちは少額で済みますよね。そのため「安く設定すれば売れる」と思い込み、価格破壊さながらの低価格で出品してしまうのです。

しかしよく考えていただきたいのは、月額でかかるコスト(固定費)も次の仕入れに使う原価も、商品を売った「利益」から賄われるということです。人件費やオフィス代などの経費は、はじめのうちこそ少なくていいかもしれませんが、ネットショップが大きくなるにつれてどんどんふくらみます。「最近出費がかさむなあ…」と思ってから値上げしても、それまでのお客様にとって値上げは店舗離れの理由にしかなりません。 そのような事態を招かないためにも、最初からしっかりと利益を取れる価格設定を心がけておきましょう。

手順2|モール出店? or ASPカート?どこで売るかを決める

売り物が決まったら、次は「どこで売るか?」を決めます。

どこと言ってもなかなかピンとこないかもしれませんが、簡単に言うと「モールか、モールでないか」ということです。

モールというのは、楽天やAmazon、Yahoo!ショッピングのような、複数の店舗が集まって形成しているプラットフォームのことです。モールそのものに集客力があるため、広告をしなくてもある程度の集客が見込めます。一方でモール内競争が激しいため、モール内広告やモール内の検索順位を上げる対策は別途必要です。

モール以外での出店の場合はASPカートといってネットショップ用の購入システム(いわゆるカート機能)を導入する必要があります。ASPカート機能を提供している会社は複数ありますので、自社の売り方に会ったサービスを導入しましょう。ASPカートには有料(月額)のものと無料でスタートできるものがあり、最近ではBASE(ベース)やShopify(ショッピファイ)など無料のASPカートサービスも充実しています。有料のASPカートにはfutureshop(フュ―チャーショップ)やMakeshop(メイクショップ)などがあり、こちらはサポート機能や集客機能、ショップ会員の管理機能が充実していると言った利点があります。

有料と無料の違いは、無料ASPカートはスタート時の機能がごくシンプルであるという点が挙げられます。

例えばレビュー機能や店舗内ランキング、ショップ会員の管理機能やSEOコンテンツ(ブログ)機能は、有料ASPカートには標準でついていることが多いですが、無料ASPカートだとオプションとなることがあります。

ショップのデザインや標準搭載されているテンプレートにはほとんど差はありません。どちらも写真やセンス次第でおしゃれなショップが作れると言えます。しかし、ASPカートが成功する大きなポイントは「集客」にあるため、レビューやランキング、SEOコンテンツの装備(ワードプレスの連携)はよほど有名なインフルエンサーでもない限り必ず必要です。その点を考慮して、必要な機能をつける前提で慎重に比較検討してみましょう。

また、ショップを構築・運営していくうえではサポート機能も欠かせません。デザインの調整や受注など、システムの使用方法に迷ったとき、電話一本で解決してくれるサポートデスクがあるかどうかはかなり大きな指標です。ASPカートをつける際は、サポートが充実しているかも必ずチェックして選定を進めましょう。

さらに、一部の商品やECショップでは海外出店・海外出品が視野にあるかどうかも重要な視点となります。海外に強いカートを選ぶことで販売できるエリアが格段に広がれば、ショップ成功の重要な一翼を担うことも珍しくありません。海外向け商品は必ず越境ECに強いカートを選びましょう。ただ、国内販売が9割以上を占めるようなアイテムであれば、無理に海外のことを考える必要はありません。

カートは「独自ドメイン型ネットショップ」や「自社EC」、「本店」などとも呼ばれます。

モールか本店か。迷うところではありますが、開業出店の初期費用を抑えたい場合は迷わず本店を選びましょう。

モールとASPカートの比較

モール ASPカート
簡単な説明 Amazon、楽天のような複数の店舗(商品)が集合したプラットフォームのこと。カート機能はモールが提供する。 サイトにECカート機能(カゴ機能)を付けるサービスのこと。有料と無料がある。
出店難易度 非常に難しい(ECやリアルでの販売実績が求められる) 個人でも可能
出店の初期費用と手間 約200,000円~(多くの場合外注が必要) 0円~(個人で簡単に出店も可能)
月額出店料 約20,000円~(無料の場合もある) 0円~(有料の場合もある)
ロイヤリティ(出店手数料)
デザイン 細かい作り込みも可能 テンプレートも豊富で簡単
メリット 集客力がある 出店が簡単・低価格
デメリット 高額・難易度が高い 集客力がない

※詳細はそれぞれのモールやASPカートによって異なります。

手順3|発送や決済のフローを整える

開業出店までの意外なハードルになりがちなのが配送や決済まわりの整備です。
出店者は商品にばかり気をとられがちですが、ネットショップ(EC)において、決済と配送はとても大切な要素です。なぜかというと、いくら商品が魅力的でも配送と決済のフローによっては、商品の魅力が台無しになってしまったり、顧客の信頼を失ってしまう場合があるからです。

いくらいい商品でも、送料が高すぎたり、お届け日が一カ月以上先だと購入を辞めてしまう場合がありますよね。同じように、クレジットカード決済ができなかったり出品者の情報がきちんと提示されていない場合も顧客を失う原因となります。

ネットショップを始める場合は、徹底的に顧客の目線に立って適切な情報を提示し、受け取りやすい配送や信頼できる決済方法を導入するべきです。特に信頼関係が構築されにくいネットショッピングでは後払い決済ができるかどうかは離脱を防ぐ重要な指標。ショップ側から見るとクレジットカードや先払い決済で購入をして欲しいところですが、同じ不安感をユーザーも抱いていることを考えると、後払い決済の導入は初期のショップほど重要と言えるでしょう。

最近ではPayPay決済やAmazon決済などキャッシュレス決済も多様になってきていますので、どの決済方法を導入するべきか丁寧に判断するべきです。顧客(ユーザー)側から見るとあらゆる決済が揃っていることが理想ですが、ショップ側から見ると確認の手間もかかり、決済手数料も支払わなくてはならないため、ある程度決済方法を絞ることも検討しなくてはなりません。

配送については、ポスト投函ができるかどうかが重要な指標です。

ポスト投函ができるサイズであれば送料も安く済むため購入者の負担を減らすことができます。

ポスト投函は受け取りのサインも必要ないため大変人気の配送方法です。コスメやアクセサリー、サプリなどの小型アイテムは配送BOXや梱包資材を工夫することでポスト投函が可能になりそうです。

また、楽天市場の場合、3,980円以上のお買い物を送料無料にすることで「39ショップ」という称号が与えられ、ページ表示やモール内キャンペーンなどでプライオリティが与えられます。

39ショップに登録した場合は、値段設定を3,980円以上にすると自動的に送料無料になってしまうため注意が必要です。

配送作業が大変で出店や店舗運営のハードルになりそうな場合は物流倉庫に荷受けや管理、発送を外注することで店舗内の負担を軽減することも可能です。Amazonや楽天には独自の物流倉庫があります。物流倉庫を利用することで検索順位が上がるなど様々な利点もあるため検討をおすすめします。

開業前に配送の効率を考えておくことで、より有利に出品を進めることができます。

手順4|受注・返品・交換などバックヤードのフローを整える

ネットショップを開店する前に、ユーザーがお買い物で迷ったり困ったりしないよう、決済方法に応じた案内バナーや受注案内メール(サンクスメール)を作りましょう。お客様(ユーザー)とのやりとりを実際に想定し、やり取りを考える中で決済方法や配送方法を見直し、商品まで見直されるということは珍しくありません。

返品や交換などのフローも確認しておきましょう。お客様都合による返品・店舗都合による返金などさまざまな場合を想定し対応を考えておくことが必要です。一度お客様にお届けしてしまうと商品が新品であるという保証がしづらくなるため、「タグを切ったら返品不可」「商品に傷や汚れが発見された場合は返品不可」など明確な基準を設けておくことが重要です。

手順5|出品する(商品ページ制作)

ネットショップの大枠が整ったら、いざ出品。商品ページの制作です。

商品ページは、商品撮影・モデルの手配・WEBページ制作・商品説明文制作・商品登録などさまざまな工程が必要です。

自社で制作が可能であれば費用は抑えられますが、商品ページ制作を制作会社に外注する場合は事業計画の固定費に加え制作費用の見積もりも必要になるため、販売価格があがる場合もあるでしょう。ターゲットユーザーに向けて、どのような表現がより魅力的に感じられるか、わかりやすく細部まで説明できるページが必要です。ネットショップでは商品ページは購入前ユーザーとの唯一の接点となるため、営業機会を逃さないページを作りましょう。

オープンしたあとは?ネットショップオープン後に気を付けるべきこと

ネットショップ(ECサイト)をオープンした後は日々の発送や顧客対応に追われて忙しい毎日になることでしょう。商品が売れることはとても良いことですが、売り上げがあがっているからといって利益が上がっているとも限りません。
大切なのは損益分岐点を超えてしっかりと利益をあげられているかどうかです。商品ごとの利益率や利益額を把握して、効率の良い店舗運営をしていきましょう。
そのあたりの分析が苦手であれば、コンサルタントに相談して明確なデータ分析を依頼するのもおすすめです。

ネットショップを始めるときに注意すべきポイント

コンセプト・ブランディングプランの作成と市場分析が大切

ネットショップを立ち上げる前に、まずは自分が取り扱う商品のコンセプトを明確にしましょう。オリジナル商品を扱うか、型番商品を仕入れするかによってもネットショップの在り方は大きく異なります。

グルメなのか、ホームケア用品なのか、アパレルなのか…どのようなジャンルの商品を販売するのかを決め、ターゲット市場の規模や特徴を調べます。そして需要が大きく、供給の少ないブルーオーシャンと言われる市場を探し出し、マネされにくい商品を独自ルートで開発します。

市場のニーズに合わせた商品を選ぶことが、成功への第一歩です。

法律や手続きの確認

ネットショップを開業するにあたって、食品衛生法に基づく営業許可や酒類小売業免許が必要になることがあります。中古品を扱う場合は古物商免許、輸入品を扱う場合は関税の知識など、法律を遵守することが重要です。オンラインであってもお客様に製品をお届けする以上、法律を守り安全に寄与する姿勢は当然求められます。仮に法律を無視していると、罰則を受けてある日突然莫大な重加算税を課されるということも…。そのようなことにならないように、法律や税金の仕組みは開店前にしっかりと調べておきましょう。

また、個人事業主として事業を行う場合は、青色申告の手続きや税務署への届け出を忘れずに行いましょう。これらの手続きは専門の資料やガイドを参照して、事前に準備しておくと安心です。

利益計算をしっかりとする。競合店の価格に惑わされない。

ネットショップはユーザーに価格比較されやすいマーケットです。そのため、似たような商品を売っているとついつい価格を安く設定してしまいがちです。しかし、利益を確保しなければ店舗は存続できません。低価格販売で利益を確保するためには販売総数を増やさなければならず、出店間もない店舗にはハードルが高くなります。初めて間もない店舗こそ、商品に魅力を感じてもらえる接客やページ作りをしていくことが大切です。

また、在庫が増えすぎない・残らない魅力的な商品開発や、機会損失を生まない仕入れ・生産体制も重要。
工場や仕入れ先との連携や在庫管理、流行の商品の開発も進めながら、フットワークの軽い魅力的なショップづくりを実現していきましょう。

こまめな集客と手厚い顧客対応でファンづくりを

オープンまもない店舗は集客が課題です。モールであればランキングに掲載されるように戦略を練ったり、自社ショップであればSNSによる宣伝・メルマガの配信を充実させてこまめな集客を行っていきましょう。時にはGoogle広告など外部のインターネット広告を活用し、アクセスを増やす施策も必要です。費用対効果を見ながら、最適な広告戦略や販促計画を立てましょう。

商品に価値を感じてくれるファンを増やしていくことが、安定した店舗運営の第一歩です。

焦らずコツコツと売り上げを積み重ねていくことで、ロイヤルカスタマーを醸成することができます。

苦手な分野は迷わずプロに頼る。外注費を加味した価格設定を

2024年のEC業界はすでに各ジャンルの人気店舗が安定した地位を築いています。ただ、これから現れる新しい店舗がそれらのトップ店舗に食い込む余地がないかと言えば、全くそんなことはありません。それぞれの店が独自の魅力を発信していくことで、新たな人気を獲得することができます。しかしそのためには、ページ制作や広告、カスタマー、データ分析などそれぞれの業務フローにおいてプロフェッショナルが力を発揮することが必要です。商品ページにわかりやすいイメージ写真や具体的な商品説明を掲載し、サイトの信頼性を高めることで消費者が安心して購入できるショップを構築していきましょう。

最短距離で安定した結果を出すために、可能な限りプロの力を借りられる体制を整えることがおすすめです。

まとめ|万全の準備で無駄のないネットショップオープンを

いかがでしたでしょうか。ネットショップは個人でも比較的手軽に始められるビジネスの一つです。しかし、成功するためにはいくつかの重要なステップを踏む必要があることがおわかりいただけたのではないでしょうか。

ネットショップは簡単にオープンできそうですが、長く安定した経営を続けていくためには、どこで開店するか・どんな商品をいくらで売るかなど様々な計画と準備が必要なことがお分かりいただけたかと思います。ネットショップに限らず、商売や経営は価格設定やマーケティングが欠かせません。もし不安な要素がある場合は、ECコンサルタントの実績が豊富な弊社までぜひお問い合わせください。



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この記事を書いた人

株式会社ALL WEB CONSULTING
代表取締役

江守 義樹(えもり よしき)

WEB解析士協会 上級WEB解析士



ネットショップ店長として0ベースからショップ運営を行い約1年で月商1,000万規模のショップに育成。

その後、ECサイト専門のコンサルティング会社に勤務し、月商数億規模のサイトから立ち上げたばかりの小規模なサイトまで数百社のECサイトのサポートを行う。

2018年に前身であるLOCUSコンサルティングを創業。

2020年ECサイト・ネットショップ支援に特化した株式会社ALL WEB CONSULTINGを創業し代表取締役に就任。

データアナリストとしてサイト解析を軸にした戦略的なSEO対策、サイト制作、WEBプロモーション、などEC支援全般のスペシャリストとして活動中。

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ALL WEB CONSULTINGのマーケティングチームです。
全国のネットショップをエンパワーメントするをミッションに、各専門家が集まってECサイトの支援を行っています。楽天・Amazonなどのモール系ECから自社ECまであらゆるECに役立つ情報を発信していきます。

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