ECコンサルタントとは?仕事内容や選び方の注意点、費用の目安まで徹底解説!

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近年、消費者の購買行動がオンラインへとシフトする中、EC市場は年々拡大を続けています。多くの企業がECサイトを立ち上げるものの、「売上が伸びない」「どのように運営すればいいのかわからない」といった悩みを抱えているのではないでしょうか。

そんな時に頼りになるのが、ECコンサルタントです。

本記事では、ECコンサルタントの仕事内容から選び方、費用の目安まで徹底解説します。ECサイトの運営でお悩みの方は、ぜひ参考にしてください。

ECコンサルタントとは?

ECコンサルタントとは、ECサイトを運用する企業に対し、ECサイトに関する課題の分析や解決策の提案・実行支援など運営をサポートする業務を指します。

単なるアドバイスだけでなく、戦略立案からサイト制作、運用まで幅広くサポートすることが特徴です。

昨今のEC市場は年々拡大を続けており経済産業省が2024年9月25日に発表した「令和5年度デジタル取引環境整備事業(電子商取引に関する市場調査)」によると、2023年の日本国内のBtoC-EC市場規模は約24.8兆円に達し、あらゆる業界でECへの参入が進んでいます。

ECサイト運営についてウェブ検索で基本的な情報は得られますが、EC市場の急速な変化に対応し、タイムリーかつ効果的な施策を実施して売上を伸ばすノウハウを習得することは容易ではありません。

多くの企業では、EC担当者が日々の運営業務に追われ、根本的な課題分析や戦略立案にまで十分なリソースを割けていないのが現状です。

こうした状況を踏まえると、限られた人的資源を最大限に活用しながら、EC事業の売上を効率的に向上させる方法を見出すことが成功の鍵となります。

ECコンサルタントはECサイトの売り上げを効率的に向上させるための心強いパートナーになります。

参考文献:「令和5年度デジタル取引環境整備事業(電子商取引に関する市場調査)」

ECコンサルタントの役割

ECコンサルタントの役割は、ECサイトの収益性を最大化させることです。

モノがあふれ、消費者の購買意欲が分散している現代においてこそ、EC事業の専門家であるコンサルタントの存在価値が高まっています。EC事業を始めた企業はECサイトを開設しますが、サイトを開設しただけではお客様は集まらず、売上も期待通りには生まれません。

この課題に対して、ECコンサルタントは、専門的視点から現状分析を通じて「今の問題はどこにあるのか」を明確にし、「どう改善すれば売り上げが上がるのか」を考え、具体的な戦略と施策を提案します。

ECサイトの効率的な運営手法、売上拡大戦略、効果的な集客テクニック、顧客維持の方法など、EC事業者が直面する様々な課題に対して、データに基づいた解決策を提示し、実践をサポートすることがECコンサルタントの役割です。

このように、ECコンサルタントはクライアント企業と二人三脚で売上アップを図る重要な役割を担っています。

企業規模で異なるECコンサルタントのニーズ

大企業・中堅企業と中小企業では、ECコンサルタントに求める内容が異なります。

例えば、大企業・中堅企業は「コンサル付き業務代行」を必要としています。これらの企業のEC担当者は売上改善の方法論は既に理解していますが、リソース不足により実行が難しい状況にあります。

つまり「知っているが実行できない」という課題を抱えているため、アドバイスだけでなく実務の代行までを含めたサービスが求められています。

一方、中小企業は予算の制約から、ECコンサルタントのアドバイスを自社で実行するケースが大半です。そのため「どうすれば売上が伸びるか」という方法論と企業が実行できるよう具体的なTODOリストの提示が重要となります。この場合、ECコンサルタントからのアドバイスを企業側がどれだけ実行できるかが成果を左右します。

ECコンサルタントを利用するメリット

ECコンサルタントを活用することで得られる具体的なメリットについて、以下で詳しく解説していきます。

自社の強みと弱みを明確にしてもらえる

ECコンサルタントは、綿密なデータ分析と市場調査を通じて、ECサイトの強みと弱みを客観的に明確化してくれます。

まず、コンバージョン率や顧客獲得コスト、リピート率などの定量的な指標を分析し、市場における自社の現在地を明確にします。

次に、ユーザー行動分析やヒートマップなどのツールを活用して、サイト内の問題点を特定します。例えば、特定ページでの高い離脱率が確認された場合、そのページのデザインや構成を見直す具体的な改善策を提案してくれます。

さらに、SEO分析ツールを使用して、検索エンジンでの自社サイトの強み、弱みを明確化し、キーワードランキングや競合分析を通じて、自社サイトのアクセス数を増加させる戦略を構築してくれます。

これらのデータに基づいた多角的な分析結果をもとに、ECコンサルタントは実践的な改善策を提案してくれるため、客観的な専門家の視点で効果的なECサイト戦略の立案を行うことができ、売上向上の支援をしてくれます。

プロの視点から具体的な意見がもらえる

ECコンサルタントは、専門知識と豊富な経験に基づいた具体的なアドバイスを実施します。

業界標準や最新のトレンドを取り入れた提案や、カート放棄率などの定量的データを分析し、問題点の具体的な改善策を提案してくれます。

また、市況を考慮し、「コンバージョン率をいつまでに何%まで向上させるか」など、具体的な数値目標を設定したうえで、改善を提示してくれるため、根拠に基づいた意思決定が可能になります。

施策の実行に注力できる

ECコンサルタントに市場分析や戦略構築業務を委託することで、企業は具体的な集客活動やサイト最適化などの実務的施策に集中できます。

専門知識を持つ人材が社内にいない場合、ECの専門家を採用・育成する必要があり、一般的に時間と投資が必要となります。さらに、その体制が整うまでの間もドメイン維持費やシステム利用料などのランニングコストは発生し続けるため、収益性が低下する可能性があります。

一方、ECコンサルタントを起用すれば、すでに豊富な経験と専門知識を持つプロフェッショナルに分析と戦略立案を任せることができます。企業はその提案に基づく施策実行に注力できるため、効率的なPDCAサイクルを回し、より短期間で成果を上げることが可能になります。

ただし、将来的にECサイトを内製化する場合には、EC運営に関する知識・ノウハウをためておく必要があります。

時間や人材といった貴重なリソースを最適に配分できることが、ECコンサルタント活用の大きなメリットと言えますが、コンサルティング契約終了後のことも見据えて社内の体制も整えておきましょう。

長期的に事業を育てられる

ECプラットフォームの構築には多大な時間とコストが投入されますが、初期の成功を維持できず衰退してしまう可能性もあります。このような投資損失は避けたいものです。

ECコンサルタントを活用すると、短期的な施策だけでなく、EC事業を継続的に成長させるための戦略を策定することができます。ユーザーが商品を一度購入しただけで終わらないように、リピーターにつなげる戦略を考案してくれるでしょう。

例えば、メールアドレスなどの顧客情報を適切に収集・管理することで、メルマガなどを通じた定期的なアプローチが可能になり、ECサイト内でファンを増やすことが可能となります。

さらに、メール送付だけでなく、メール件名の作成から魅力的な本文の構成、そしてECサイトへのスムーズな誘導まで、購買プロセス全体を改善など、コンバージョン向上のための施策も実行してくれます。

このように、短期的な売上向上だけでなくECコンサルタントのノウハウを活用することで、持続的な成長を実現できる可能性が高まります。

長期的に成長し続けるための基盤づくりができることは、ECコンサルタント活用の大きなメリットです。

 知見なしで売上UP&コスト、工数削減につながる

ECコンサルタントを利用する場合、費用は発生しますが、専門知識がなくても売上アップを実現できるメリットがあります。

社内にEC専門家がいなくても、プロの知見を借りることで効率的に成果を出せるようになります。

また、以下のような点でコストと工数の削減にもつながります。

  • 試行錯誤の時間短縮による機会損失の防止
  • 効果の低い施策への投資回避
  • 効率的なリソース配分による人件費の最適化

例えば、SEO対策や広告運用を独自に学ぶ時間を省き、すでに効果が実証されている方法をすぐに取り入れることができます。

結果的に、ECサイトの売上向上と運営効率化の両方を実現でき、投資に対するリターンを最大化できるでしょう。

しかしながら先ほども述べたようにECコンサルタントへの過度な依存は、社内にノウハウが蓄積されないリスクをもたらします。

先を見越して一部業務は専任の担当を作り任せるなど少しずつ知識の蓄積を行い自社で巻き取れる体制を整えていきましょう。

ECコンサルタントの仕事内容

ここからは、ECコンサルタントの仕事内容を網羅的に紹介していきます。

EC課題の抽出

ECコンサルタントの仕事の第一歩は、企業のEC事業における課題を抽出することにあります。

この段階では、企業にヒアリングを行いながらアクセス分析や競合分析、市場動向など、定量的データを収集し、総合的な分析を行います。

売上不振の原因は企業によって異なります。集客戦略に間違いはないか、市場での差別化要素の欠如していないか、提供サービスと顧客ニーズのミスマッチが発生していないかなど、様々な要因が考えられます。

このように定量的データを収集し、売上不振の原因を把握するのは企業のEC事業を立て直す上で非常に重要なポイントです。

EC事業に精通したコンサルタントの支援を受けることで、競合他社との比較における自社の弱点を客観的に評価してもらうことができます。

EC戦略の立案

課題を抽出した後、ECコンサルタントは具体的な戦略立案を行います。

下記のような項目を1つずつ確認しながら戦略を立案していきます

  • 販売する商品
  • ターゲット層
  • 価格
  • アプローチ方法(出店プラットフォームの選択など)
  • 競合サイトはどこなのか

このような項目を明確にしたうえで、依頼企業と内容をすり合わせ戦略を立案します。

ECサイトの制作

ECサイト制作は通常のウェブサイト制作よりも専門性が高く、時間もかかります。

そのため、ECコンサルタントは自社だけでなく、専門のサイト制作会社と協力してプロジェクトを進めることも多いです。特にECサイトに強い制作会社の選定は、プロジェクトの成否を左右する重要なポイントとなります。

一般的なECサイト制作の期間は、規模や要件にもよりますが、一般的なWebサイトの制作期間が1~1ヶ月半程度に対し、ECサイトは3~4ヶ月かかります。

ECプラットフォームの出店

主要ECプラットフォームである楽天市場、Amazon、Yahoo!ショッピングへの参入には、各プラットフォーム固有の申請プロセスや商品ページ制作が必要となります。

各プラットフォームには特有の料金体系、契約期間のプラン、取扱禁止商材、運営ポリシーなどが存在し、これらの違いを踏まえたプラットフォーム選択のアドバイスを行うのもECコンサルタントの役割の一つです。

集客に必要な施策の提案と実施

EC事業の成功には、効果的な集客施策を実施し、ターゲット顧客を呼び込むことが必要です。ECコンサルタントは、多様な集客手法の中から最適な施策を提案・実施をサポートしてくれます。

SEO(検索エンジン最適化)対策

検索エンジンであるGoogleやAmazon、楽天市場などの検索結果で1ページ目に掲載されると、潜在顧客の目に触れる機会が劇的に増加し、訪問者数の大幅な向上につながります。

そのため、SEO対策に力を入れると、ECサイトの大幅な売上向上の期待ができます。

検索エンジンのアルゴリズムは定期的にアップデートを行い、順位を決定する指標を変更しているため都度SEO対策を考え、集客像を狙うことが重要です。

【SEOのメリット】

  • 月間アクセスなどの予想ができる
  • 広告費用がかからない(自然検索)
  • 多くのユーザーが集まる

【SEOのデメリット】

  • 上位表示に時間がかかる場合もある
  • 競合によって分析されることもある
  • 検索エンジンのアルゴリズム変更の影響を受ける

SNS対策

デジタル社会の発展に伴い、SNSのユーザーは拡大し、EC事業にとって重要な集客チャネルへと進化しています。

SNSの強みは、『リアルタイムな情報発信』と、『フォロワーからの迅速なレスポンス』にあります。

SNS対策では、アカウントのフォロワー数、コンテンツの閲覧回数、ユーザーのエンゲージメントなどを測定し、ターゲット層へのリーチを最大化するためのコンテンツ最適化を進めていきます。

【メリット】

  • リアルタイムでの情報発信が可能
  • 顧客との対話やエンゲージメント向上

【デメリット】

  • 公式アカウントの場合、ファンをつけることが難しい場合もある
  • フロー型のSNSの場合、コンテンツ蓄積が難しい

メルマガ集客

メールマガジン(メルマガ)は、企業やサービス提供者が登録者に対して配信する一斉送信型のメール手法です。

この手法の強みは、顧客の行動やタイミングに依存せず、企業側の意図したメッセージを確実にターゲット層へ届けられる点にあります。

送信タイミングや内容を企業が主体的にコントロールできるため、戦略的な情報発信が可能です。

【メリット】

  • 低コストで実施可能
  • IT業界のトレンドが変容しても廃れづらい

【デメリット】

  • 最後まで開封する読者数が少ない場合がある
  • リスト収集・管理の手間
  • 新規コンテンツ作成を継続する負担がある

WEB広告

WEB広告は、インターネット上に表示される広告コンテンツの総称です。

具体的には、検索エンジンの検索結果上部に表示される「広告」マーク付きのテキスト、X(旧Twitter)に表示されるプロモーションポスト、YouTubeの動画再生前や途中に挿入される広告素材など、多様な形態が含まれます。

他の集客手法と比較した際のWEB広告の優位性は短期間で効果が分かる点にあります。SEO施策やSNS集客が成果を出すまでに数ヶ月を要する一方で、WEB広告は短期間で集客効果を発揮します。

【メリット】

  • ターゲティングを細かく設定することが可能
  • 効果測定と改善が容易

【デメリット】

  • 競合が多い場合がある
  • 運用スキルにより効果に差が出る

サイトの分析と改善策の提案

ECサイトへの集客が確保できても、売上につながらないケースがあります。

要因として考えられるのは、ページの構成、商品画像の質、商品購入ボタンの視認性の悪さ、などのECサイト側の問題が考えられます。

ECコンサルタントは、こうした課題に対して具体的な改善案を提案し、A/Bテストなどを通じて効果検証を行います。

サイト改善はECコンサルタントやサイト制作会社と協同で行うため、各会社とは継続的に関わっていくことを覚えておいてください。

ECコンサルティング依頼前に知るべき3つのポイント

ECコンサルタントへの依頼を検討する際、以下の3つの重要事項を事前に把握しておくことが大切です。

  • 適切な依頼先選定の難しさ
  • 成果の不確実性
  • コンサルティング活用の失敗事例

適切な依頼先選定の難しさ

ECコンサルティングを依頼する前に、最適なパートナー選びが容易ではないことを認識しておく必要があります。

各コンサルティング会社には、それぞれ得意分野があります。自社ECサイト運営に強みを持つ会社もあれば、Amazon・楽天などのECモールに特化した会社も存在します。

このように、各社の専門知識や経験、相性によっては、期待していたコンサルティングが得られない可能性があることを理解しておきましょう。

また、低価格のコンサルティングサービスでは、現状分析とレポート作成のみで具体的な改善提案までは含まれないケースがあります。

自社での対策立案が困難な場合は、実行可能な改善策まで提供されるかどうかを事前に確認することが重要です。

コンサルティング会社の「得意分野」や「サービス提供範囲」を十分に調査した上で選定を行いましょう。

成果の不確実性

ECコンサルタントを利用しても、必ずしも望ましい結果が得られるとは限りません。

ECサイト改善の豊富な実績を持つコンサルタントであっても、取扱商品や市場動向によっては、想定通りの成果が出ない場合があることを理解しておくべきです。

実際には、企業自身が販売商品やターゲット顧客を最も深く理解しています。そのため、ECコンサルタントに全てを委託するのではなく、互いに協力することで成果を高める可能性が増します。

ECコンサルタント会社に過度に依存するのではなく、「課題解決を共に進めるビジネスパートナー」として位置づけ、自社も積極的にECサイトの改善活動に関与することが重要です。

ECコンサルタント活用の失敗事例

ECコンサルタントを活用する際の失敗パターンは主に3つあります。これらを事前に理解しておきましょう。

代表的な失敗事例は以下の通りです

  • 企業側の過度なこだわり
  • 社内におけるECコンサルタント活用への姿勢の不一致
  • 社内での情報共有の不足

つまり、「ECコンサルタントからのアドバイスを正確に理解し、組織内で認識を統一させ、実行担当者へ適切に伝達すること」が成功への重要な鍵となります。

しかし、最終的な意思決定の主体はあくまでも企業側にあります。基本的にはECコンサルタントの専門的見解を尊重しつつも、十分に納得した上で最終判断ができるよう、ECコンサルタントと適切なコミュニケーションを取ることが大切です。

 ECコンサルタントの費用目安

ECコンサルタントを活用する際に気になるのが費用です。費用体系は会社によって異なりますが、大きく分けて以下の3つの費用がかかります。

1. 初期費用
初期費用には、サイト分析や戦略立案などの初期コンサルティング費用が含まれます。また、サイト制作を依頼する場合は、その制作費も初期費用となります。

2. 月額費用
月額費用には、継続的なコンサルティングや運営代行の費用が含まれます。サポート内容や範囲によって金額は大きく変動します。

3. メンテナンス費用
システムのアップデートやセキュリティ対策、機能追加などに関する費用です。定期的なメンテナンスはECサイトの安定運用に不可欠です。

重要なのは、自社の予算とニーズに合ったサービスを選ぶことです。初期段階では最小限のサービスから始め、効果を確認しながら徐々に拡大していくアプローチも有効です。

ECコンサルティングの3タイプ

「トータル的に相談に乗ってほしい」という悩みを持つ企業のサポートを得意とするオールラウンド型のECコンサルタントなどECコンサルタント会社は多種多様で、それぞれに特徴があります。

ここでは、大きく3つのタイプに分けて説明します。自社のニーズに合ったタイプを選ぶことが成功の鍵となります。

  • 1. オールラウンド型のECコンサルタント(大手~中堅企業向け)
  • 2. オールラウンド型のECコンサルタント(中小企業向け)
  • 3. 特化型

1. オールラウンド型のECコンサルタント(大手~中堅企業向け)

大手~中堅企業向けのオールラウンド型ECコンサル会社を調べると、次のような特徴があります。

  • 2万件以上の豊富なコンサルティング実績
  • 独自の知見とテクノロジーサービスによる成長支援
  • 豊富な専門人材による適切なチーム編成
  • 複雑なプロジェクトを成功に導く専門スキル
  • ソリューション別にサービスを展開し、幅広いジャンルに対応可能

取引先には誰もが知っているような大手企業が並んでおり、有名企業でもEC事業の売り上げUPのためにECコンサルティングを利用していることが分かります。

 2. オールラウンド型のECコンサルタント(中小企業向け)

中小企業向けのオールラウンド型ECコンサル会社を調べると、次のような特徴があります。

  • サイト制作、運用、越境EC、店舗運営など幅広い業務対応
  • EC業界経験者、店長経験者、大手コンサル出身者など多様な人材構成
  • 個別ニーズに対応したオーダーメイド提案
  • 提案だけでなく業務代行、制作サポート、海外展開支援など多様なプラン提供


中小企業は通常、ECコンサルタントから提案を受けて自社で施策を実施するケースが多くなりますが、中には「業務代行」プランを選ぶケースもあります。予算に応じて依頼範囲を社内で事前検討することが重要となります。

3. 特化型

特化型のECコンサルタントは、特定のECプラットフォームや業務領域に特化したサービスを提供します。

代表的なのは、Amazon、楽天市場、Yahoo!ショッピングなどの特定のESプラットフォームに特化したコンサルタントです。特化型コンサルタントは、特定のプラットフォームの売上を伸ばしたいなど、明確な課題がある場合に効果的です。

各プラットフォームにはそれぞれ独自のルールやアルゴリズムがあるため、その道のプロに相談することで、短期間で成果を出せる可能性が高まります。

特化型ECコンサルティング企業には以下共通する特徴が見られます。

  • 楽天市場、Amazon、自社ECサイトなど複数のプラットフォームに精通したスペシャリストによるチーム編成を採用し、総合的なサポート体制を構築
  • 初期投資リスクを軽減する「成果報酬型」や「初月無料」といったフレキシブルな料金設計
  • 少数精鋭のチーム編成のため、限られた予算で運営する中小規模の企業でも、依頼しやすい

また、こうした企業の中には独自の書籍出版や専門サイト運営を通じて業界内での高い評価を確立している事例も見られます。

ECコンサルタントを選ぶ際におすすめの4つのポイント

ECコンサルタントを選ぶ際には、いくつかの重要なポイントがあります。最適なパートナーを見つけるために、以下の4つの観点から検討することをおすすめします。

対応可能な業務範囲

まず確認すべきは、ECコンサルタントが対応できる業務範囲です。その会社がどれだけ多様な業務に対応できるかという点は重要なポイントです。

幅広い分野をカバーする会社であれば、様々な課題を一括して解決できる強みがあります。また、業務範囲が広い場合、各専門分野のエキスパートが所属している可能性が高いです。

これにより、より専門的な戦略立案や高度な業務代行サービスを受けられる可能性が高まります。

楽天市場やAmazonなど様々ある選択肢の中から、何に力を入れたら上手くいくのか分からない状態の時は、幅広く対応できるコンサルタントと戦略立案から進めた方が失敗しにくいでしょう。

これまでの実績

ECコンサルタント会社を選ぶ際は、その会社の実績を具体的に確認することが重要です。「売上が伸びた」といった抽象的な表現ではなく、「半年で売上〇〇%アップ」といった数値で表される具体的な成果実績をチェックしましょう。

具体的にチェックする項目としては担当した企業の業種やどのような施策を実施したのか、そして成果が出るまでにどの程度の期間を要したのかという点をチェックしましょう。より客観的な情報を得るためには、実際にそのECコンサルタントのサービスを利用した同業者からの評価や意見を参考にすることも効果的です。

また、会社案内やWebサイト、事例紹介、ホワイトペーパー、ウェビナーなどの公開情報も検討の材料になります。

具体的な実績とその内容を確認したうえで、自社の課題やニーズに合致した実績を持つECコンサルタント会社を選びましょう。

担当者との相性

ECコンサルタントは長期的な協力関係になるため、担当者との相性も重要な選定ポイントです。

どんなに実績があるコンサルタントでも、コミュニケーションがうまくいかなければ成果は出にくくなります。優秀でも人員が限られた小規模企業では、連絡の遅延や対応可能な業務範囲に制限があるなど、様々な課題が生じる可能性があるため、こまめな連絡がとれる企業を選ぶとよいでしょう。

しかし、スタッフの人数が多ければよいというわけではありません。担当者との相性が合わずプロジェクトが順調に進まないケースがあるためです。

よくある問題として、「初期対応した営業担当者がそのままプロジェクトを担当すると思っていたが、実際には別のコンサルタントが担当になり、引継ぎも不十分だったため、プロジェクトが大幅に遅延した」という問題があります。

このような事態を避けるためにも、契約前に慎重に確認を行いましょう。

予算と費用のバランス

ECコンサル会社の選定において、予算と費用のバランスは非常に重要な要素です。高額なコンサルティングサービスが必ずしも最良の選択とは限りません。

自社の予算に見合った、費用対効果の高いサービスを選ぶことが大切です。

費用検討のステップ

1. 予算上限の設定
まず、EC事業に投資できる予算の上限を明確にしましょう。売上予測や投資回収期間も考慮に入れると良いでしょう。

2. 複数社からの見積もり取得
少なくとも3社以上のECコンサル会社から見積もりを取り、費用感を比較しましょう。

3. サービス内容と料金のバランス確認 
単に金額だけでなく、提供されるサービス内容を詳細に比較することが重要です。

例えば「月額10万円」という金額に、定例会議、データ分析、改善提案など含まれているかなど確認します。
料金が安すぎる場合には、望んでいるレベルの十分なサポートを受けれない可能性があるため金額だけで判断しないよう注意が必要です。

4. 目標や成果に対する費用の妥当性の確認
目標設定や期待される結果に見合った料金かどうかを判断します。

例えば、「〇年間で売上を〇割アップさせる」という目標がある場合、その達成のために必要となる具体的な取り組み内容と、それに対する費用のバランスを包括的に検討する必要があります。

コスト面だけでなく、提案されている施策の質や実現可能性も含めて、投資対効果を考え判断しましょう。

まとめ

本記事では、ECコンサルタントの仕事内容から選び方、費用の目安まで詳しく解説してきました。ECサイトの運営は専門知識と継続力が必要で、多くの企業が課題を抱えています。そんな時、ECコンサルタントは心強いパートナーとなり得ます。

費用は目的や依頼範囲によって大きく異なりますが、適切なECコンサルタントを選ぶことで、自社だけでは難しかった売上向上や業務効率化を実現できるでしょう。

EC市場は今後も拡大を続け、競争も激化していくと予想されます。プロフェッショナルの知見を活用し、効果的なEC戦略を展開することで、この成長市場でのビジネスチャンスを最大限に活かしていきましょう。

WEB集客やネットショップ運営などでお悩みがあれば一度ご相談ください。ご相談は無料で行なっております。

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この記事を書いた人

株式会社ALL WEB CONSULTING
代表取締役

江守 義樹(えもり よしき)

WEB解析士協会 上級WEB解析士



ネットショップ店長として0ベースからショップ運営を行い約1年で月商1,000万規模のショップに育成。

その後、ECサイト専門のコンサルティング会社に勤務し、月商数億規模のサイトから立ち上げたばかりの小規模なサイトまで数百社のECサイトのサポートを行う。

2018年に前身であるLOCUSコンサルティングを創業。

2020年ECサイト・ネットショップ支援に特化した株式会社ALL WEB CONSULTINGを創業し代表取締役に就任。

データアナリストとしてサイト解析を軸にした戦略的なSEO対策、サイト制作、WEBプロモーション、などEC支援全般のスペシャリストとして活動中。

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ALL WEB CONSULTINGのマーケティングチームです。
全国のネットショップをエンパワーメントするをミッションに、各専門家が集まってECサイトの支援を行っています。楽天・Amazonなどのモール系ECから自社ECまであらゆるECに役立つ情報を発信していきます。

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