【徹底解説】Amazon FBAとは?メリット・デメリットや手数料も解説
-
投稿日
-
更新日
- Amazonネットショップコンサル記事

「Amazonで商品を販売したいけど、在庫管理や発送業務が負担になりそう…」
「FBAというサービスは知っているけど、本当に利用すべきか迷っている」
そんな悩みを持つ方は多いのではないでしょうか。実はFBAは、発送代行だけでなく、幅広い業務の代行や売上アップまで見込める便利なサービスです。
そこで本記事では、FBAの基本的な仕組みからメリット・デメリット、手数料や具体的な利用方法まで、これから導入を検討する方に向けて徹底的に解説します。ぜひ最後までご覧ください。
FBAとは
参考:フルフィルメント by Amazon(FBA) | [公式] Amazon出品サービスの配送方法
FBA(フルフィルメント by Amazon)は、Amazonが提供する包括的な物流サービスです。
出品者は商品をAmazonの倉庫(フルフィルメントセンター)に納品するだけで、商品の保管から発送、カスタマーサービスまでを一貫してAmazonが代行してくれます。
FBAは24時間365日稼働しており、注文が入ると自動的に商品が発送される仕組みです。土日祝日や深夜帯でも迅速な発送が可能で、プライム会員向けの即日・翌日配送にも対応します。
そのため、プライム会員からの購入数増加が見込め、単に顧客満足度の向上や工数の削減のみならず、売上の拡大にもつながるサービスです。
FBAの対応範囲
FBAが対応する業務範囲は非常に広く、ECサイト運営における主要な物流業務をほぼすべてカバーしています。具体的な業務内容は以下の通りです。
- 商品の入荷:Amazonの倉庫での商品受け入れ
- 入荷時の検品:商品状態や数量の確認
- 商品保管:Amazon倉庫での在庫管理
- 受注業務:注文情報の処理と管理
- ピッキング:商品の取り出しと仕分け
- 発送前の検品:出荷前の最終確認
- 梱包:Amazonの品質基準に従った梱包
- 発送:即日・翌日配送に対応した迅速な配送
- 返品・カスタマー業務:返品対応や顧客サポート
これらの業務をAmazonのスタッフとシステムが24時間体制で遂行します。これにより、出品者は商品開発やマーケティングなど、事業の成長に直結する業務に注力することができます。
FBAのメリット
FBAのメリットは、大きく分けて以下の4つです。
- 集客力が上がる
- 成約率が上がる
- リソースを削減できる
- コストを削減できる
それぞれ詳しく解説していきます。
集客力が上がる
Primeマーク
出典:アマゾン
商品ページにPrimeマークがつく事で、商品の信頼性が上がるのに加え、お急ぎ便や当日お急ぎ便を利用したいユーザーからの支持を得やすくなります。また、Primeマークの商品は優先して表示される傾向があるため、FBAを利用するだけで検索上位に露出できる可能性もあります。
新規出品者や知名度の低いブランドにとって、このPrimeマークは大きなメリットとなります。
海外発送にも対応
FBAの海外配送プログラムを利用することで、追加手数料や複雑な通関手続きなどの輸出にかかる費用を負担せずに海外展開が可能です。
一般的な越境ECでは、国際配送の手続きや費用、現地での返品対応などが大きな課題となりますが、FBAならこれらの業務もAmazonが代行してくれます。設定方法も簡単で、ボタン1つで有効にできるので、特に以下のような商品を扱う事業者にはおすすめです。
- 日本独自の商品やブランド
- 海外での需要が見込める商品
- 軽量で破損リスクの少ない商品
- 言語の壁が比較的低い商品(化粧品、アパレルなど)
成約率が上がる
Amazon.co.jpが発送する
FBAを利用した商品では、発送元に「Amazon.co.jp」と表示されます。
これはユーザーにとって、以下のような信頼感を与えることができ、購入検討時の後押しに繋がります。
- 偽物や不良品が少なく、品質が信頼できる
- 配送遅延や紛失のリスクが小さい
- 返品・交換が必要になってもスムーズ
送料が無料になる
FBA利用商品はプライム対象商品となるため、Primeユーザーであれば送料が無料です。
追加料金がかからないという点は、Amazon内の他社商品や、他ECプラットフォームの商品と比較した際の優位性となり、成約率向上に繋がります。
カートの獲得率が上がる
Amazonは1商品1ページ制を採用しており、1つの商品を複数の事業者が販売した場合、その中の1事業者がデフォルトの出品者となります。その商品のメインの出品者になることを、「カートを獲得する」と言います。
上記の画像では、FBA出品者がカートを獲得しており、残りの25の出品者は「Amazonの他の出品者」に分類されています。
このカートの獲得には、いくつかの要因をもとに総合的に判断されているのですが、価格などの条件が同じだった場合、FBA利用者が優先される傾向があります。そのため、自社開発ではなく小売やせどりを行っている方は、カートの獲得率を上げるためにFBAの利用が推奨されます。
決済手段が増える
FBA利用により、代金引換での支払いにも対応可能となります。
そのため、クレジットカードを持っていない顧客層を獲得することができ、顧客の利便性向上と売上拡大につながります。
リソースを削減できる
Amazonが業務を代行してくれる
商品の保管から発送、カスタマーサポートまで、EC運営における煩雑な業務をAmazonが一括して代行します。これにより、人員配置や設備投資を最小限に抑えることが可能です。
特に以下の業務負担が軽減されることは、FBAの大きなメリットです。
- 在庫管理と保管スペースの確保
- 受注処理と発送業務
- 返品対応とカスタマーサービス
- 24時間365日の運営体制
- 繁忙期の人員増強
FBAマルチチャネルサービスが利用できる
顧客基盤を拡大させるため、楽天市場やYahoo!ショッピングにも出店している事業者は多いです。Amazonの倉庫に在庫を送ってしまうと、他のECサイトで売れた分の在庫が確保できなくなるという課題については、「FBAマルチチャネルサービス」が解決してくれます。
こちらは他社ECサイトでの販売分についても、FBAの倉庫から発送を行ってくれるサービスで、在庫の一元管理や人件費削減を行うことが出来ます。
コストを削減できる
小型軽量商品プログラムが利用できる
小型で軽量な商品であれば、「小型軽量商品プログラム」を利用して、配送代行手数料を1商品あたり95~113円安く抑えることが出来ます。
具体的な適用条件は以下のとおりです。
▼対象
- 商品の包装寸法が、メール便サイズ以内
- 商品の包装重量が、1,000g以下
- 販売単価が、1,000円以下(プロモーション割引の併用可)
▼対象外
- 中古商品
- アダルト商品
- FBA禁止商品
- 危険物(リチウム電池本体・リチウム電池を含む商品を含む)
- お酒類
- 温度管理商品
- FBA定期おトク便をご利用中の商品
FBAのデメリット
売上を上げつつコストも下げられるFBAですが、同時にデメリットもいくつか存在します。
- 手数料がかかる
- 倉庫保管できない商材がある
- ブランド認知が取りづらくなる
- 梱包のカスタマイズができない
- 商品の状態がわからない
こちらも詳しく解説していきます。
手数料がかかる
手数料の種類
FBA利用時には、主に以下3種類の手数料が発生します。
- 配送代行手数料
– 商品の梱包、配送、カスタマーサービスにかかる料金
– 商品のサイズ・重量により異なる
– 全国一律料金
- 在庫保管手数料
– 商品の保管期間に応じて毎月発生
– 季節により料金が変動
– 在庫の体積に応じた手数料
- その他の手数料
– 返送/所有権の放棄手数料
– 長期在庫保管手数料(365日超の商品)
– 納品不備受領作業手数料
– 購入者返品手数料(特定カテゴリー)
返送/所有権の放棄手数料は、商品の返送や所有権の放棄を行う場合の手数料。
長期在庫保管手数料は、365日を超えて倉庫に保管する際に必要な手数料。
納品不備受領作業手数料は、ラベルの貼り忘れなどの不備による作業代。
購入者返品手数料は、返品送料無料ジャンルの「服&ファッション小物」「シューズ&バッグ」の商品が返品された際の手数料です。
詳しい料金体系については、こちらの公式HPよりご確認ください。
FBA料金シミュレーターを活用しよう
FBAは料金体系が複雑なので、HPを見てもよくわからない方も多いです。そんな時は、Amazonが公式で提供している「FBA料金シミュレーター」を活用しましょう。
既に商品が登録されていればその登録情報から、まだ登録していない場合は、サイズや重量、カテゴリーを入力するだけでFBAの手数料が予測できます。
▼使い方
- セラーセントラルにログイン(ゲストでも利用可能)
- 「FBA料金シミュレーター」にアクセス
- ASINなどで商品を検索
- サイズ・重量などの必要情報を入力
- 結果が表示
倉庫保管できない商材がある
FBAでは、安全性や法令順守の観点から、保管できない商品が定められています。
具体的には、日本の法令で義務付けられている日本語表記のラベルが貼付されていない商品(海外化粧品など)や、必要な承認を得ていない商品(無承認の医療機器など)は保管することができません。
また、温度管理が必要な商品や生物(動植物)、危険物および化学製品なども保管対象外となります。
※その他の条件について、詳しくは公式HPをご確認ください。
このため、場合によっては一部商品のみFBAを利用し、その他は自社で保管・発送するというハイブリッドな運用体制を整える必要があります。FBA利用を検討する際は、事前に商品がFBAの基準に対応しているか確認しましょう。
ブランド認知が取りづらくなる
FBAを利用すると、商品ページでの発送元表示が「Amazon.co.jp」となり、自社名は目立たなくなります。これは、ブランディングを重視する企業にとっては大きな課題となる可能性があります。
特に、自社ブランドの認知度向上を目指している段階では、この点を慎重に検討する必要があります。
一方で前述したように、Amazonブランドの信頼性を活用できるメリットもあるため、商品やビジネス戦略に応じて、FBAを上手く利用することが大切です。
梱包のカスタマイズができない
FBAを利用する場合、商品はAmazonの標準的な梱包材で発送されます。これは品質管理の観点からは利点となりますが、自社ロゴ入りの段ボールや独自のギフトラッピングなど、カスタマイズされた梱包を提供することができません。
特にギフト需要の高い商品や、パッケージにこだわりのあるブランド商品を扱う場合は、この制限が販売戦略に影響を与える可能性があります。ただし、FBAマルチチャネルサービスを利用する場合は、無地の段ボールでの発送も可能です。
商品の状態がわからない
FBA利用時は商品がAmazonの倉庫で保管されるため、商品の状態を直接確認することができません。Amazonの物流品質は非常に高く、商品の破損や紛失のリスクは極めて低いものの、完全にゼロではありません。
また、商品の実物確認が必要な場合は、取り寄せの手続きと手数料が発生します。このため、商品の品質管理が特に重要な場合や、頻繁な商品確認が必要な場合は、運用方法を慎重に検討する必要があります。
FBAの利用方法
ここからは、具体的なFBAの利用方法を4ステップに分けて解説します。
- 商品登録
- 商品ラベル貼付
- 商品送り状貼付
- 納品手続きと発送
1.商品登録
FBA利用の第一歩は、セラーセントラルでの商品登録です。
既に他の出品者が登録している商品の場合は、既存の商品情報を利用できるため、登録作業を効率化できます。新規商品の場合は、商品名、商品説明、画像、価格など、必要な情報を詳細に入力します。
セラーセントラル > カタログ > 「商品登録」から登録を進めましょう。
特に商品の寸法や重量は、FBA手数料に直接影響するため、正確な情報が必要です。また、この段階で商品をFBA在庫として指定すると、この後の手続きがスムーズに進みます。
2.商品ラベル貼付
セラーセントラルから商品ラベルを印刷し、各商品の外箱に貼付します。
その際、以下の点に注意が必要です。
- 商品ラベルはバーコードスキャンが可能な状態で貼付
- 既存のバーコードと重ならないように注意
- 貼付位置は商品の平らな面を選択
- 破損や汚れのないよう丁寧に作業
ただし、メーカー発行のJANコードがある商品は、そのまま利用できる場合があります。この場合、追加のラベル貼付は不要となり、作業工数を大幅に削減できます。商品登録時に「メーカーバーコードで出荷」を選択することで対応可能です。
なお、ラベル貼付作業に不安がある場合や、大量の商品を扱う場合は、Amazonのラベル貼付サービスの利用を検討しましょう。追加の手数料は発生しますが、より自身の工数を削減することが出来ます。
▼料金表
商品サイズ区分 | 商品あたりの商品ラベル貼付サービスの手数料 |
FBA小型軽量商品 | 10円 |
小型/標準サイズ | 20円 |
大型 | 51円 |
※Amazonのラベル貼付サービスについて、詳しくはこちらの公式HPをご確認ください。
3.商品送り状貼付
商品の梱包が完了したら、配送用の送り状を貼付します。
具体的には、以下の手順で進めましょう。
- セラーセントラルから送り状をA4用紙で印刷
- 配送ラベル部分を切り取り
- 発送用段ボールの見やすい位置に貼付
- 破損や汚れがないことを確認
送り状には、配送先のフルフィルメントセンターや商品情報が記載されており、正確な納品のために重要な役割を果たします。また、追跡番号の記載により、納品状況の確認も容易になります。
4.納品手続きと発送
納品手続きは、以下のステップで進めます。
- セラーセントラルでの納品完了手続き
– 「クリックすると納品が完了します」ボタンをクリック
– 納品手続きの確認画面で「出荷済みとしてチェック」を選択 - お問い合わせ番号の設定
– 追跡のため、配送業者から発行された番号を入力
– 荷物の紛失防止や進捗確認に活用 - 発送手続き
– 指定された配送業者に商品を持ち込み
– 必要書類の準備と提出
– 受付確認の取得
納品手続きが完了すると、Amazonのシステムで在庫として認識され、販売可能な状態となります。初回の納品では特に慎重に手順を確認し、不備のないように気をつけましょう。
よくある質問
Amazonの倉庫一覧は?
Amazonのフルフィルメントセンター(FC)は全国各地に設置されており、効率的な配送網を構築しています。ただし、出品者が納品する倉庫を選択することはできず、Amazonのシステムが自動的に最適な倉庫を割り当てます。
また、倉庫タイプは複数あり、それぞれ以下の特徴があります。
- フルフィルメントセンター(FC):主要な保管・発送拠点
- デリバリーステーション(DS):配送の中継地点
- 返品センター:返品商品の処理施設
最新の倉庫場所一覧については、こちらの公式HPよりご確認ください。
FBAは儲からないって本当?
「FBAは儲からない」という声の背景には、以下のような要因があります。
- 手数料の見積もり不足や、保管手数料が毎月かかる事の考慮不足
- 商品の利益率が低く、FBAに向いていない
これらの問題が発生しないよう、事前に手数料の計算や、FBA利用時の売上予測などを行いましょう。かかるコストや得られるメリット、FBAの特徴をよく理解してから利用することで、FBAは出品者にとって「儲かるツール」になるでしょう。
まとめ
本記事では、Amazonの物流代行サービスであるFBA(フルフィルメント by Amazon)について徹底解説しました。
- FBAは物流代行サービスで、発送だけでなく商品の保管やCSまで対応
- Primeマークによる信頼性向上や露出強化など、人件費の削減に加え売上向上も
- 利用開始前にきちんとシミュレーションして、自社商品と採算が合うか計算が重要
上級者向けと思われがちなFBAですが、小規模で物販を行う初心者にこそオススメなサービスですので、さらなるビジネス拡大に向けてぜひ利用してみてください。
無料でWEBマーケティングの
ノウハウをお話しています
WEB集客やネットショップ運営などでお悩みがあれば一度ご相談ください。ご相談は無料で行なっております。
通販お役立ち資料無料ダウンロード
この記事を書いた人
株式会社ALL WEB CONSULTING
代表取締役
江守 義樹(えもり よしき)
WEB解析士協会 上級WEB解析士
ネットショップ店長として0ベースからショップ運営を行い約1年で月商1,000万規模のショップに育成。
その後、ECサイト専門のコンサルティング会社に勤務し、月商数億規模のサイトから立ち上げたばかりの小規模なサイトまで数百社のECサイトのサポートを行う。
2018年に前身であるLOCUSコンサルティングを創業。
2020年ECサイト・ネットショップ支援に特化した株式会社ALL WEB CONSULTINGを創業し代表取締役に就任。
データアナリストとしてサイト解析を軸にした戦略的なSEO対策、サイト制作、WEBプロモーション、などEC支援全般のスペシャリストとして活動中。
マーケティングチーム
ALL WEB CONSULTINGのマーケティングチームです。
全国のネットショップをエンパワーメントするをミッションに、各専門家が集まってECサイトの支援を行っています。楽天・Amazonなどのモール系ECから自社ECまであらゆるECに役立つ情報を発信していきます。