Google AI Overviewsが一部クエリで「自動展開」に|「もっと見る」なしでAIモード化・オーガニック結果が押し下げられるECサイトの対応
-
投稿日
-
更新日
株式会社ALL WEB CONSULTINGのSEOタイムズでは、Googleの公式発表や検索アルゴリズムの最新動向を日々追いかけ、最新のSEO情報を更新しています。本記事では、その中でもECサイトやサイト運営に本当に影響する重要なトピックを厳選し、実務目線でわかりやすく解説します。
今回取り上げるのは、2026年8月末に確認された「AI Overviews(AIによる概要)が一部のクエリで最初から全文展開される」という検索結果の変化です。従来は「もっと見る(Show more)」をクリックして初めて表示されていた長いAI回答と「Ask anything(何でも聞いてください)」の入力欄が、クエリによっては検索直後から表示されるようになりました。
Googleはこの挙動を「一部のクエリで動的に展開する」ものとして認めています。この記事では、何が変わったのか、なぜ重要なのか、ECサイト・サイト運営者の流入にどう影響しうるのか、そして今できる現実的な対応を整理します。
この記事のポイント
- 一部のクエリで、AI Overviewsが「もっと見る」なしに最初から全文展開され、AIモードと同様の長い回答と質問入力欄が表示されるようになりました(2026年8月27日発見・8月28日にGoogleが確認)。
- Googleは「システムが最も有用と判断したトピックで動的に展開する」と説明しており、どのクエリが対象かは公表していません。用語の定義系クエリで安定して確認されています。
- 展開されると通常のオーガニック検索結果が画面下に押し下げられ、順位が変わらなくてもクリック率が下がる可能性があります。現時点ではデスクトップ中心の報告です。
- 対応の第一歩は、Search Consoleで「表示回数は維持・クリック率だけ低下」のクエリを洗い出すことです。GoogleはAI機能向けの特別な最適化は不要と明言しており、基本のSEOと購入意図クエリの強化が現実的な打ち手になります。
目次
何が起きたのか:一部クエリでAI Overviewsが最初から全文展開に
8月27日に発見、8月28日にGoogleが確認
この変化は、2026年8月27日にSEO会社Nectivの共同創業者Chris Long氏がX(旧Twitter)で報告したのが最初です。「algorithmic」という単語を検索した際、AI Overviewsが最初から長い回答として表示され、AIモードの「Ask anything」入力欄まで一緒に出ていたというものでした。
翌8月28日、Search Engine RoundtableのBarry Schwartz氏がGoogleに問い合わせ、Googleの広報担当者が次のように回答しています。
GOOGLE 広報担当者の回答(原文)
For some queries, AI Overviews may dynamically expand for topics where our systems determine it's most useful for people. Our research has shown that with this dynamic experience, users find Search more helpful and engage deeper in follow-up exploration.
日本語での要約
一部のクエリでは、Googleのシステムが「その方が人々にとって最も役立つ」と判断したトピックについて、AI Overviewsが動的に展開されることがある。社内調査では、この動的な体験によってユーザーは検索をより役立つと感じ、追加の質問など深掘りの行動が増えた、という説明です。
あわせてGoogleは「すでにスクロールを始めている場合は、読んでいる位置がずれないよう展開を止める」とも説明しています。つまり、ページ読み込み直後にユーザーが動かなければ自動展開され、動いていれば従来どおりの折りたたみ表示のままになる仕組みです。
なお、この件についてGoogleの公式ブログやSearch Central(検索セントラル)での発表はなく、報道機関への広報コメントという形にとどまっています。Googleは「テスト」とも「正式展開」とも明言しておらず、現時点では「一部クエリで動的に起こる仕様」と受け止めるのが正確です。
何がどう変わったのかを整理する
| 項目 | これまで | 今回確認された挙動 |
|---|---|---|
| AI Overviewsの初期表示 | 短い要約のみ。続きは「もっと見る」をクリック | クエリによっては最初から長い回答が全文表示 |
| 「もっと見る」ボタン | あり | 自動展開されるクエリでは表示されない |
| AIモードの質問入力欄 | AIモードに遷移してから表示 | 自動展開時はAI Overviews内に最初から表示 |
| オーガニック検索結果の位置 | AI Overviewsの短い要約の直下 | 全文展開されたAI回答の下(画面外になることも) |
| 対象クエリ | ― | Googleは非公開。用語の定義系で安定して確認 |
| 対象デバイス | ― | デスクトップで確認。モバイルは従来どおりとの報告 |
デバイスについては、Android Authorityが「モバイルでは従来どおり折りたたみ表示で、『See more』をタップした後にのみ展開される」と報じています。ただしこれは記事執筆時点の観察であり、Googleがデバイス別の仕様を説明したわけではない点にご注意ください。
- 出典:Google Making AI Overviews Into AI Mode Responses|Search Engine Roundtable
- 出典:Google is dynamically expanding AI Overviews for some queries|Search Engine Land
- 出典:Google is making AI Overviews even bigger on some search queries|9to5Google
- 出典:Google finds another way to push Search users to AI Mode|Android Authority
なぜ重要なのか:AI Overviewsが「AIモードへの入口」になりつつある
2025年10月の「もっと見る→AIモード」テストの延長線上
今回の変化は突然のものではありません。2025年10月には、AI Overviewsの「もっと見る」ボタンをクリックすると、追加テキストが表示される代わりにAIモードへ遷移するテストが確認されていました。
今回はその一歩先で、「ボタンを押す」という行為すら不要になり、AIモード相当の回答が検索結果ページの最上部にそのまま現れます。Search Engine Roundtableの9月版まとめでも、8月はAIモードの基盤モデル更新、AIモード内のショッピング広告、リンクカルーセルなど、AIモードへ機能を集約する動きが相次いだ月として整理されています。
一連の動きを踏まえると、Googleは通常の検索結果ページの中で、ユーザーをAIモードの体験へ段階的に移行させていると見ることができます。今回の自動展開は、その移行を「ユーザーの操作なし」で進める最初の事例です。
「順位」ではなく「画面上の位置」が変わる
SEO担当者にとって重要なのは、今回の変化がランキングアルゴリズムの変更ではないという点です。検索順位が1位のページは、引き続き1位のままです。
変わるのは画面上の位置です。全文展開されたAI回答の下にオーガニック検索結果が並ぶため、デスクトップでは1位のページであっても、ユーザーがスクロールしなければ目に入らないケースが出てきます。Barry Schwartz氏は「パブリッシャーにとって良い話ではない。ただ、誰もがこうなると予想していた」と述べており、業界としては想定内ながら影響は小さくないという受け止めです。
- 出典:Test: Google AI Overviews Show More Button Jumps Into AI Mode|Search Engine Roundtable
- 出典:September 2026 Google Webmaster Report|Search Engine Roundtable
ECサイト・サイト運営者への影響
影響を受けやすいのは「解説・定義系」の流入
現時点で安定して自動展開が確認されているのは、用語の意味を調べるような定義系クエリです。ECサイトで言えば、商品ページそのものより、「〇〇とは」「〇〇の選び方」「〇〇と△△の違い」といった情報収集段階のコラム記事が該当しやすいと考えられます。
一方、具体的な商品名や型番、「〇〇 通販」「〇〇 価格」のような購入意図の強いクエリで自動展開が起きているという報告は、現時点ではありません。Googleが対象を公表していない以上、断定はできませんが、今すぐ売上直結の流入が大きく減るという性質のものではないと見ています。
| クエリの種類 | 想定される影響 | 例 |
|---|---|---|
| 用語の定義・意味 | 影響が出やすい(自動展開が安定して確認) | 「〇〇とは」「〇〇 意味」 |
| 選び方・比較・違い | 影響が出る可能性あり(Googleが有用と判断すれば展開) | 「〇〇 選び方」「〇〇 △△ 違い」 |
| 商品名・型番・購入 | 現時点で報告なし | 「〇〇 通販」「〇〇 型番」 |
| 指名検索(ブランド名) | 現時点で報告なし | 「店舗名」「ブランド名 公式」 |
Search Consoleでは「AI経由」を分離できない
もう一つ実務上の注意点があります。Googleの公式ドキュメント「AI機能とウェブサイト」によれば、AI OverviewsやAIモードに表示されたリンクの表示回数・クリック数は、Search Consoleの検索パフォーマンスレポートで「ウェブ」検索タイプにまとめて計上されます。AI経由の数値だけを切り出すことはできません。
そのため、今回の変化による影響は「表示回数はほぼ変わらないのに、クリック率だけが下がる」という形で現れる可能性が高いと考えられます。順位だけを追っていると変化に気づけません。
注意
8月下旬はスパムアップデート完了後の順位変動も続いており、クリック減少の原因が「順位低下」なのか「AI Overviewsの自動展開による位置の押し下げ」なのかを切り分ける必要があります。順位が維持されたままクリック率だけ落ちているクエリを見つけることが、切り分けの出発点です。
取るべき対応
過剰に構えるものではありませんが、流入構造を把握し直す良い機会です。まず次の点を確認してください。
まず確認するチェックリスト
- ☑Search Consoleで、直近2週間と前月を比較し「表示回数・平均掲載順位は維持、クリック率のみ低下」のクエリを抽出したか
- ☑抽出したクエリを実際にデスクトップで検索し、AI Overviewsが自動展開されているか目視で確認したか
- ☑定義・解説系コラムからの流入が、サイト全体の流入や売上に占める割合を把握しているか
- ☑自社サイトがAI Overviewsの引用元として表示されているクエリを把握しているか
- ☑デバイス別(PC/モバイル)でクリック率の変化を分けて見ているか
1. 影響クエリを「順位は維持・クリック率は低下」で洗い出す
Search Consoleの検索パフォーマンスで、期間比較を使い、平均掲載順位がほぼ変わらないのにクリック率が下がったクエリを抽出します。その上で、デバイス別に絞り込み、デスクトップだけで落ちているなら今回の自動展開が原因である可能性が高まります。
抽出したクエリは実際に検索して、AI Overviewsの表示状態を確認してください。自動展開はユーザーがスクロールすると止まる仕様のため、読み込み後に操作せず数秒待って観察するのがコツです。
2. 「引用される側」に回るための基本SEOを徹底する
Googleの公式ドキュメントは、AI OverviewsやAIモードに表示されるために特別な要件や最適化は不要だと明言しています。原文では次のように書かれています。
GOOGLE SEARCH CENTRAL「AI機能とウェブサイト」(原文)
There are no additional requirements to appear in AI Overviews or AI Mode, nor other special optimizations necessary.
日本語での要約
AI OverviewsやAIモードに表示されるための追加要件はなく、特別な最適化も必要ない、という内容です。同ドキュメントでは、クロールを許可する、内部リンクを整える、ページ体験を高める、テキストで内容を提供する、構造化データを正しく実装する、といった従来のSEOの基本が引き続き有効だと説明されています。
AI回答が長く表示されるほど、その回答の根拠として引用されるかどうかが流入を左右します。「AI向けの裏技」を探すより、一次情報に基づいた正確な解説、明確な見出し構造、正しい構造化データという基本を固めることが、結果的に引用される近道です。
3. 定義系コラム頼みの流入構造を見直す
定義・解説系の記事は、これまでECサイトの認知獲得に有効な手段でした。今後も価値はなくなりませんが、AI Overviewsが最初から答えを出してしまう以上、その記事「だけ」で集客する設計は弱くなります。
コラム記事の役割を「定義を説明する」から「自社商品での具体的な解決策を示す」へ寄せることをおすすめします。比較・選び方の記事には自社商品の具体的な使用場面や実績を盛り込み、商品ページや指名検索へつながる導線を強化してください。
4. nosnippetなどの表示制御は慎重に
Googleのドキュメントでは、nosnippetやmax-snippetといったメタタグでAI機能への表示を制限できると説明されています。ただし、これらは通常の検索結果のスニペットにも同時に効きます。
注意
AI Overviewsに使われたくないという理由だけでnosnippetを設定すると、通常の検索結果でも説明文が表示されなくなり、クリック率がさらに下がるおそれがあります。設定する場合は対象ページを限定し、必ず効果を計測してください。
まとめ
今回の変化は、ランキングの変更ではなく「検索結果ページの見え方」の変更です。順位が維持されていてもクリック率が下がりうるため、Search Consoleでの見方を変える必要があります。
対象クエリはGoogleが公表しておらず、現時点では定義系クエリとデスクトップ中心の報告にとどまります。ただし、2025年10月以降の流れを見る限り、AI OverviewsをAIモードの入口にする方向は今後も続く可能性が高いと考えています。
株式会社ALL WEB CONSULTINGとしては、ECサイトの支援現場でも「情報収集クエリの流入は緩やかに減り、購入意図クエリと指名検索の重要度が上がる」傾向を感じています。今回の変化はその流れを一段進めるものであり、定義系コラムに偏った集客構造を見直す機会と捉えるのが現実的です。
SEO対策のご相談はお気軽に
株式会社ALL WEB CONSULTINGでは、ECサイトを中心に、SEO戦略の設計からコンテンツ改善、アルゴリズムアップデートの影響調査まで、実務に即した支援を行っています。AI Overviewsの自動展開によるクリック率への影響調査や、購入意図クエリを軸にした流入構造の再設計についても、Search Consoleのデータをもとに具体的にご提案します。お気軽にご相談ください。
- SEO対策サービスの詳細はこちら:SEO対策サービス|ALL WEB CONSULTING
- ご相談・お問い合わせはこちら:お問い合わせフォーム
無料でEC運営・WEBマーケティング
のノウハウをお話しています
WEB集客やネットショップ運営などでお悩みがあれば一度ご相談ください。ご相談は無料で行なっております。
この記事を書いた人
株式会社ALL WEB CONSULTING
代表取締役
江守 義樹(えもり よしき)
WEB解析士協会 上級WEB解析士
ネットショップ店長として0ベースからショップ運営を行い約1年で月商1,000万規模のショップに育成。
その後、ECサイト専門のコンサルティング会社に勤務し、月商数億規模のサイトから立ち上げたばかりの小規模なサイトまで数百社のECサイトのサポートを行う。
2018年に前身であるLOCUSコンサルティングを創業。
2020年ECサイト・ネットショップ支援に特化した株式会社ALL WEB CONSULTINGを創業し代表取締役に就任。
データアナリストとしてサイト解析を軸にした戦略的なSEO対策、サイト制作、WEBプロモーション、などEC支援全般のスペシャリストとして活動中。
マーケティングチーム
ALL WEB CONSULTINGのマーケティングチームです。
全国のネットショップをエンパワーメントするをミッションに、各専門家が集まってECサイトの支援を行っています。楽天・Amazonなどのモール系ECから自社ECまであらゆるECに役立つ情報を発信していきます。
カテゴリー
人気資料
-
会社概要資料
\AWCのサービスと実績がわかる1冊/ 支援メニュー・料金・支援実績・体制まで、ECコンサルティングのご検討に必要な情報をまとめました。社内での比較検討や稟議の資料としてもご活用いただけます。
- サービス概要資料
-
Nano Bananaプロンプト40選
\今すぐ使えるプロンプト40選を無料配布中/ 商品撮影、バナー制作、SNS投稿など、EC現場ですぐに使える実践的なプロンプト集をご用意しました。
- お役立ち資料
-
楽天商品名作成プロンプト
\今すぐ使える楽天商品名作成プロンプトシートを無料配布中/ 必要事項を記入するだけで楽天SEO対策をしっかり意識したプロンプトが作成できる「楽天商品名作成プロンプトシート」をご用意しました。
- お役立ち資料