Googleが一部のアップデートしか公表しない理由|「発表がない順位変動」の原因を切り分ける実務ステップ

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株式会社ALL WEB CONSULTINGのSEOタイムズでは、Googleの公式発表や検索アルゴリズムの最新動向を日々追いかけ、最新のSEO情報を更新しています。本記事では、その中でもECサイトやサイト運営に本当に影響する重要なトピックを厳選し、実務目線でわかりやすく解説します。

2026年8月18日(米国太平洋時間)に開始した「August 2026 spam update」の展開が続くなか、Googleのジョン・ミュラー氏が「アップデートの告知」について立て続けに2つの説明を行いました。

これは「順位が動いたのに公式発表がない」「発表の数日前から動いていた気がする」という、サイト運営の現場で毎回起きる混乱に直結するテーマです。

この記事のポイント

  • Googleが公表するのは「影響が大きい」アップデートだけ。小規模な更新は告知なしで日常的に行われている
  • Googleは告知の数日前からこっそり展開を始めることはない(発表前の変動は別要因)
  • だからこそ、順位変動の原因は「自社の変更履歴 → Search Console → 公式の展開履歴」の順で切り分ける

何が起きたのか

2026年8月19日から20日にかけて、Googleのジョン・ミュラー氏(Google Search Advocate)がLinkedIn上で、検索アップデートの告知に関する2つの質問に回答しました。海外SEOメディアのSearch Engine Roundtableがそれぞれを記事として取り上げています。

1つ目:なぜ一部のアップデートしか公表しないのか

「26年も経つのに、なぜ既存のアルゴリズムで自然にスパムが排除されず、わざわざアップデートが必要なのか」という趣旨の質問に対し、ミュラー氏は次のように回答しました。

GOOGLE ジョン・ミュラー氏の回答(原文)

We have lots of systems that update continuously (most of them update automatically), but when we make bigger / broader changes to the systems, we try to announce them so that it’s easier for folks if they see a big jump in their metrics. That said, it’s sometimes hard to find a good balance between giving some transparency & causing unnecessary worries.

日本語での要約
Googleには継続的に(多くは自動で)更新され続けるシステムが数多くある。ただし、より大きく広範な変更を加えるときは、指標が大きく動いたときに原因を理解しやすいよう告知するようにしている。とはいえ、透明性を確保することと、不必要な不安を招かないことのバランスを取るのは難しい場合もある。

つまり、公表されるアップデートは「影響が大きいもの」に絞られており、公表されない小規模な更新は日常的に行われている、という従来からの説明があらためて確認された形です。

2つ目:告知の3〜5日前から展開が始まっているのでは?

もう一方の質問は、「Search Consoleを見ると、告知の3〜5日前からアップデートの展開が始まっているように見える」という指摘でした。

これに対しミュラー氏は、事前に展開することはなく、実際に「ボタンを押す」タイミングにできるだけ近づけて告知するようにしている(タイムゾーンの都合で難しいこともある)と回答しています。

Search Engine Roundtableも、公式発表の1〜2日前に観測される変動について、Googleは一貫して「その変動は今回のアップデートとは無関係」と説明してきたと補足しています。

なぜ重要なのか/「公表されるアップデート」は氷山の一角

Googleの公式ドキュメントにも、同じ趣旨の記述があります。コアアップデートの解説ページでは、年に数回行う「重要かつ大規模な変更」をコアアップデートと呼び、ランキングアップデート履歴に掲載すると説明されています。

その一方で、広く認識されるものではない更新は発表されないことも明記されています。

実際、Googleが公式に履歴として掲載した2026年のランキングアップデートは、次の6件です(本記事執筆時点)。

名称 開始日 展開期間
August 2026 spam update 2026年8月18日 展開中
June 2026 spam update 2026年6月24日 約2日
May 2026 core update 2026年5月21日 約11日22時間
March 2026 core update 2026年3月27日 約12日4時間
March 2026 spam update 2026年3月24日 約19時間30分
February 2026 Discover update 2026年2月5日 約21日17時間

出典:Google Search Status Dashboard|Ranking Updates(履歴)

年間を通じて公式に名前が付くのはこの程度の件数ですが、その裏側では小規模な更新が継続的に走っています。ここから導かれる実務上の結論はシンプルです。

「公式発表がない=アルゴリズムは動いていない」ではなく、
「公式発表がない=Googleが大きな影響と判断しなかった」に過ぎない

そして、発表日の数日前に起きた変動を、後から発表されたアップデートのせいにするのは原因の取り違えになりうるということです。

順位変動の原因を特定するうえで、この時系列の感覚は重要です。

ECサイト・サイト運営者への影響|順位変動の「誤診」3パターン

私たちが日々ご相談をいただくなかでも、順位変動の誤診は非常によく起こります。典型的なのは次の3パターンです。

パターン1:自社都合の変動をアップデートのせいにしてしまう

サイトリニューアル、商品ページの大量削除・統合、カテゴリURLの変更、CDN・サーバー設定の変更、noindexやcanonicalの設定ミス。

これらは順位や表示回数に大きく影響しますが、たまたま時期が重なると「アップデートの影響」として処理されてしまいます。結果、本当の原因である技術的な不具合が放置されます。

ミュラー氏の説明にある「サイト運営者が自分たちの変更のせいだと誤解しないよう、大きな変更は告知する」という趣旨は、裏を返せば告知がない期間の変動は、まず自社側を疑う価値があるということでもあります。

パターン2:発表前の変動をアップデートに結びつけてしまう

「発表の3日前から下がっていたので、今回のアップデートの影響だ」という見立ては、Googleの説明に照らせば成り立ちにくくなります。

この場合、公表されていない別の更新か、季節性・需要変動・競合の動き・自社の変更など、別の要因を探す必要があります。

パターン3:変動ツールとSNSの情報だけで判断してしまう

順位変動計測ツールの数値やSNSの話題は、あくまで「他サイトを含めた全体の傾向」です。自社サイトが実際に影響を受けたかどうかは、Search Consoleの実データでしか確認できません

特にECサイトでは、セール期・型番シーズン・在庫状況によって検索需要そのものが動くため、外部の変動情報だけで判断すると施策の方向を誤ります。

取るべき対応|順位変動を切り分ける5つのステップ

公式発表の有無にかかわらず、順位変動を見たときの手順は同じです。次の順序で進めることをおすすめします。

ステップ1:自社の変更履歴を先に確認する

まず確認するチェックリスト

  • 直近1か月のサイト更新・リリース内容を洗い出す(CMS更新、テンプレート変更、プラグイン更新、URL変更、商品の追加・削除)
  • サーバー・CDN・robots.txt・meta robots・canonicalの変更有無を確認する
  • Search Consoleの「ページのインデックス登録」でエラー・除外の急増がないかを見る

日頃から変更履歴(日付・内容・担当)を残しておくと、この工程は数分で終わります。原因究明の速度は、記録の有無でほぼ決まります。

ステップ2:Search Consoleで「いつ・どこが・どれだけ」動いたかを分解する

分解して見るポイント

  • 検索パフォーマンスで期間比較を行い、変動の開始日を特定する
  • ページ別・クエリ別・デバイス別・国別に分解し、サイト全体か一部かを見極める
  • 表示回数と平均掲載順位のどちらが動いたかを区別する

表示回数だけが減っている場合は、順位ではなく検索需要そのものが動いた可能性もあります。ECサイトでは特に見落としやすいポイントです。

ステップ3:Google公式の履歴と突き合わせる

Google Search Status Dashboardで、変動開始日が公式アップデートの展開期間と重なっているかを確認します。

重なっていない場合は、公表されていない更新か自社要因として扱い、アップデート名を原因として記録しないことが大切です。誤った原因が社内に残ると、次回以降の判断も引きずられます。

ステップ4:外部情報は「補助」として使う

変動ツールや海外SEOメディアの情報は、「業界全体で何か起きているか」を知る手がかりとしては有用です。

ただし判断の主軸には置かず、あくまでステップ2で得た自社データの解釈を補強する材料として扱います。

ステップ5:恒久的な改善に投資する

アップデートの有無を問わず、評価を左右するのはコンテンツと体験の質です。

特にECサイトでは、実物の使用感・サイズ感・比較情報・専門的な選び方など、その店舗でしか書けない一次情報が差になります。Googleもコアアップデート後の対応として、その場しのぎの修正ではなく、ユーザーにとって意味のある長期的な改善に集中するよう案内しています。

展開中の注意
アップデートの展開が完了していない期間は、順位が確定していない可能性があります。大規模なサイト変更は、展開完了の発表を待ってから判断する方が安全です。

まとめ

今回のポイントは3つです。

  1. Googleが公表するのは影響が大きいアップデートに限られ、小規模な更新は日常的に、告知なく行われている
  2. Googleは告知の数日前から展開を始めることはなく、発表前の変動を後発の発表と結びつけるのは誤診につながる
  3. だからこそ原因究明は「自社の変更履歴 → Search Consoleの実データ → 公式の展開履歴」の順序で行う

株式会社ALL WEB CONSULTINGの見解として、アップデートの発表を追うこと自体は重要ですが、それ以上に価値があるのは「自社サイトで何をいつ変えたか」を記録し続ける地味な運用だと考えています。

発表がない変動こそ日常であり、記録があるサイトほど原因特定が速く、打ち手も的確になります。

SEO対策のご相談はお気軽に

株式会社ALL WEB CONSULTINGでは、ECサイトを中心に、SEO戦略の設計からコンテンツ改善、アルゴリズムアップデートの影響調査まで、実務に即した支援を行っています。

「公式発表はないのに順位が下がった」「アップデートの影響なのか自社の変更が原因なのか切り分けたい」といったお悩みがあれば、Search Consoleのデータをもとにした原因調査からご支援が可能です。お気軽にご相談ください。

WEB集客やネットショップ運営などでお悩みがあれば一度ご相談ください。ご相談は無料で行なっております。

この記事を書いた人

株式会社ALL WEB CONSULTING
代表取締役

江守 義樹(えもり よしき)

WEB解析士協会 上級WEB解析士



ネットショップ店長として0ベースからショップ運営を行い約1年で月商1,000万規模のショップに育成。

その後、ECサイト専門のコンサルティング会社に勤務し、月商数億規模のサイトから立ち上げたばかりの小規模なサイトまで数百社のECサイトのサポートを行う。

2018年に前身であるLOCUSコンサルティングを創業。

2020年ECサイト・ネットショップ支援に特化した株式会社ALL WEB CONSULTINGを創業し代表取締役に就任。

データアナリストとしてサイト解析を軸にした戦略的なSEO対策、サイト制作、WEBプロモーション、などEC支援全般のスペシャリストとして活動中。

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