Googleがページエクスペリエンス文書に「CrUX広告指標」を追加|広告数・広告密度・広告の重さは順位に影響するのか、ECサイト・オウンドメディアが確認すべきこと

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株式会社ALL WEB CONSULTINGのSEOタイムズでは、Googleの公式発表や検索アルゴリズムの最新動向を日々追いかけ、最新のSEO情報を更新しています。本記事では、その中でもECサイトやサイト運営に本当に影響する重要なトピックを厳選し、実務目線でわかりやすく解説します。

2026年9月、Google Chromeの実ユーザーデータ「Chrome UX Report(CrUX)」に、広告に関する4つの新指標が加わりました。さらに9月22日、Google検索セントラルの「ページエクスペリエンス」の解説文書にも、この「CrUX広告指標」への案内が追加されています。

「広告の量や重さが、ついに検索順位に使われるのか」という声も出ていますが、Googleの担当者は「すべてが直接のランキング要因ではない」と明言しています。本記事では、何が追加されたのか、順位との関係はどう考えるべきか、そして広告を掲載しているオウンドメディアや、自社バナーを多用するECサイトが今なにを確認すべきかを整理します。

この記事のポイント

  • 2026年9月15日、ChromeがCrUXに4つの実験的な広告指標(Ad Count/Ad Density/Ad Weight: CPU/Ad Weight: Network)を追加。9月22日にはGoogle検索のページエクスペリエンス文書にも掲載された。
  • GoogleのJohn Mueller氏は「すべてが直接のランキング要因ではない」と説明。Core Web Vitalsのような「良好/改善が必要/低速」の判定や目標値もない。
  • 対象はChromeが「広告」と判定した第三者配信広告。ads.txtに正規の販売者がないサイトは集計対象外で、自社バナーや自社キャンペーン枚は原則カウントされない。
  • 広告を掲載するオウンドメディア・比較メディアは今のうちにCrUX APIで現状値を把握し、ページエクスペリエンスの自己診断6項目と合わせて、モバイルのファーストビューの広告量を見直すのが現実的な対応。

何が起きたのか

9月15日:ChromeがCrUXに4つの広告指標を追加

2026年9月15日、Chrome for Developersの公式ブログで、Chrome UX Report(CrUX)に新しい広告指標が追加されたことが発表されました。CrUXは、Chromeの実ユーザーから収集した表示速度などのデータをまとめた公開データセットで、Core Web Vitalsの「フィールドデータ」の出どころとしてSEO担当者にはなじみ深い存在です。

今回追加された指標は次の4つです。いずれも「実験的(experimental)」な位置づけで、今後変更される可能性があると明記されています。

指標 内容 単位
Ad Count(広告数) ビューポート(画面内)に同時に表示されている広告フレームの平均数 個
Ad Density(広告密度) ビューポートの面積のうち広告フレームが占める割合の平均 %
Ad Weight: CPU(広告の重さ・CPU) 広告スクリプトや素材の読み込み・実行に使われたCPU時間の累計 ミリ秒
Ad Weight: Network(広告の重さ・通信量) 広告の読み込みで転送されたデータ量の累計 バイト

Chromeの説明では、広告数と広告密度は「1秒に1回ビューポートのスナップショットを取り」、セッション全体で平均します。広告の重さの2指標は、ページが閉じられるまで累積します。そして他のCrUX指標と同じく、75パーセンタイル(p75)の値が報告されます。

9月22日:Google検索の「ページエクスペリエンス」文書に掲載

続いて9月22日、Google検索セントラルの「Google検索結果におけるページエクスペリエンスについて」の文書が更新され、「ページエクスペリエンスのリソース」の一覧に「CrUX広告指標」が追加されました。追加された文言は次のとおりです。

GOOGLE検索セントラル ページエクスペリエンス文書(原文)

CrUX ad metrics: These experimental CrUX metrics from Chrome can help you understand your site’s ad count, ad density, and ad weight metrics. They provide insight into real users’ ad experiences on your site, as seen and reported by Chrome.

日本語での要約
Chromeが提供する実験的なCrUX広告指標を使うと、自サイトの広告数・広告密度・広告の重さを把握できます。Chromeが実際に観測・報告した、実ユーザーの広告体験を知る手がかりになります、という案内です。

つまり、Chromeチームが作った広告指標が、Google検索チームの公式文書に「ページエクスペリエンスを評価するための参考資料」として掲載された、というのが今回の出来事です。

検索順位に影響するのか|Googleの公式見解

John Mueller氏「すべてが直接のランキング要因ではない」

ページエクスペリエンス文書に載ったことで、「広告指標がランキングに使われるのでは」という反応がSEO業界で広がりました。これに対し、GoogleのJohn Mueller氏はBlueskyで次のように説明しています。

GOOGLE JOHN MUELLER氏の投稿(原文)

We included them because they’re available as metrics to help evaluate the state of your site. Not everything is a direct search ranking factor! There are plenty of ways to improve the experience of a website, and sometimes having metrics makes it easier to discuss / work on it, ‘SEO’ or not.

日本語での要約
文書に載せたのは、サイトの状態を評価するのに使える指標だからです。すべてが直接の検索ランキング要因というわけではありません。サイト体験を改善する方法はたくさんあり、指標があるほうが議論や改善がしやすくなることがある。それはSEOであってもなくても同じです、という趣旨です。

Chrome側の文書でも、「CrUX広告指標はCore Web Vitalsの一部ではなく、推奨される目標値やしきい値もない」と明記されています。Core Web Vitalsのような「良好/改善が必要/低速」という区分もありません。

現時点で確認できる事実は、「広告指標そのものが新しいランキングシグナルになった」という発表はなく、Googleは「サイト評価のための参考指標」と位置づけているということです。

ただし「広告が過剰かどうか」は以前からページエクスペリエンスの論点

一方で、広告の量がまったく検索と無関係かというと、そうではありません。同じページエクスペリエンス文書には、サイト運営者向けの自己診断として6つの質問が掲載されており、その中に「メインコンテンツの邪魔になる、または気をそらすような過剰な広告を避けているか」という項目が以前から含まれています。

ページエクスペリエンス文書の自己診断6項目(要約)

  • ☑Core Web Vitalsは良好か
  • ☑ページは安全(HTTPS)に配信されているか
  • ☑モバイル端末でコンテンツが正しく表示されるか
  • ☑メインコンテンツの邪魔になる過剰な広告を避けているか
  • ☑煩わしいインタースティシャル(全画面ポップアップ等)を避けているか
  • ☑メインコンテンツとそれ以外を訪問者が容易に区別できる設計か

Googleは、ページエクスペリエンスを「単一のシグナル」ではなく、複数の観点からまとめて評価する考え方を示してきました。今回の広告指標は、この「過剰な広告を避けているか」という長年の問いに対して、初めて実ユーザーベースの数値が公開されたもの、と理解するのが妥当です。

「順位が下がる要因が増えた」と受け止めるより、これまで感覚的だった「広告が多すぎるかどうか」を、客観的な数値で議論できるようになった、と捉えるべきでしょう。

指標の仕組み|どの「広告」がカウントされるのか

ECサイトの運営者がまず気になるのは、「自社の商品バナーやキャンペーン枚も広告として数えられるのか」という点でしょう。Chromeの公式文書を読むと、対象はかなり限定的です。

Chromeの広告判定はEasyList由来のフィルタリストが基準

Chromeは、ページ内のリクエストを送信する前に、URLが「フィルタリスト」のルールに一致するかを評価し、一致すれば広告関連と判定します。このフィルタリストは、広告ブロッカーで広く使われるオープンソースのルール集「EasyList」から派生したものです。

さらに、広告スクリプトが起点となって読み込まれた画像やiframeも、JavaScriptのスタックを確認して広告として分類されます。一度広告と判定されたiframe内のリクエストは、すべて広告扱いを引き継ぎます。

注意:自社バナーは原則カウントされません
Chromeの文書では「メインフレーム自体が広告フレームに分類されることはない」とされています。自社サーバーから配信する自社商品のバナーや、自社キャンペーンの告知枚は、EasyListのルールや広告スクリプトを経由しない限り、この指標では「広告」として数えられません。あくまで第三者のアドネットワーク経由で配信される広告が対象です。

ads.txtがないサイトは集計対象外

もう一つ重要なのが、集計対象の条件です。Chromeの測定方法の文書には、「ads.txtが無い、またはプレースホルダーのレコードしか無いオリジンは、CrUX広告指標のレポートから除外される」と明記されています。ads.txtは、そのサイトの広告枠を販売できる正規の事業者を宣言するファイルで、Google AdSenseなどの広告を掲載しているサイトが設置しています。

つまり、第三者広告を掲載していない一般的なECサイトの商品ページには、そもそも広告指標のデータが存在しないということです。影響を受けうるのは、EC事業者が運営するオウンドメディアやブログ、比較・レビュー系のアフィリエイトメディアといった「広告収益を得ているページ」です。

データはどこで見られるか

CrUX広告指標は、現時点で次の場所から確認できます。

  • CrUX API/CrUX History API(オリジン単位・URL単位で取得)
  • CrUX Vis(Chromeチーム提供の可視化ツール)
  • Chrome DevToolsの「Ads」パネル(ローカル環境で自ページの広告判定を確認)

BigQueryの公開データセットへの対応は今後の予定とされており、PageSpeed Insightsの画面にはまだ表示されません。また、収集対象はWindows・macOS・Android・ChromeOS・LinuxのChromeで、iOS版ChromeやAndroid WebView、他のChromium系ブラウザは含まれません。

ECサイト・オウンドメディアへの影響

影響度はサイトのタイプで大きく異なる

今回の変更がどの程度関係するかは、運営しているサイトの性質によって分かれます。当社がECサイトの支援を行っている中で見てきたパターンを踏まえて整理すると、次のようになります。

サイトのタイプ 広告指標のデータ 今回の影響
第三者広告のないECサイト本体(商品・カテゴリページ) 生成されない(ads.txt無し) 直接の影響はほぼ無し。ただし自己診断6項目のうち「過剰な広告」「インタースティシャル」は自社バナー・ポップアップにも当てはまる
EC事業者が運営するオウンドメディア・ブログ(AdSense等を掲載) 生成される 該当。現状値の把握と、記事テンプレートの広告配置の見直しが必要
比較・レビュー系アフィリエイトメディア 生成される 最も該当。収益と広告密度のバランスを数値で管理する段階へ
楽天・Amazonなどモール内の店舗ページ 店舗側で制御不可 対象外(モール側の設計に依存)

ECサイト本体で見直すべきは「自社の広告的な要素」

第三者広告のないECサイトでも、油断はできません。Chromeの指標にはカウントされなくても、ページエクスペリエンスの自己診断が問うているのは「メインコンテンツの邪魔をしていないか」という点です。

商品ページを開いた瞬間のクーポン全画面ポップアップ、スクロールに追従する大型の追尾バナー、レビューや商品説明を押し下げる大量のレコメンド枠は、Chromeが「広告」と判定しなくても、ユーザーにとっては同じ体験です。当社の支援先でも、ファーストビューの自社バナーを整理しただけで直帰率や商品詳細の閲覧率が改善した例は少なくありません。

広告指標は「第三者広告」を数える仕組みですが、Googleが評価しようとしているのは「ユーザーが目的のコンテンツにたどり着けるか」です。自社バナーやポップアップも、同じ基準で見直す価値があります。

オウンドメディアは「収益」と「体験」の両立を数値で管理する段階に

EC事業者のオウンドメディアやアフィリエイトメディアでは、収益のために広告枚数を増やしてきたケースが多いはずです。今後は、広告密度(Ad Density)や広告の重さ(Ad Weight)を定点観測し、Core Web Vitals(特にLCPとINP)や、記事からの商品ページ遷移率と並べて評価することが現実的になります。

広告スクリプトはINP(操作への応答性)やLCP(主要コンテンツの表示速度)を悪化させる典型的な原因でもあります。広告の重さが大きいテンプレートは、Core Web Vitalsの側でもすでに不利になっている可能性があります。

取るべき対応

過剰に慌てる必要はありませんが、広告を掲載しているサイトは「今の数値を知っておく」ことが最初の一歩です。次の順序で確認することをおすすめします。

まず確認するチェックリスト

  • ☑ads.txtの有無を確認する。第三者広告を掲載しているのにads.txtが無い、またはプレースホルダーのみの場合、集計対象外になっている(広告収益の観点でも設置が推奨される)
  • ☑CrUX API/CrUX Visでオリジン単位の現状値を取得する。Ad Count・Ad Density・Ad Weight(CPU/Network)のp75を記録し、今後の比較の基準にする
  • ☑収益上位のテンプレートから優先して見る。記事詳細・ランキング・比較表など、広告収入の多いページ型ごとに数値を分けて把握する
  • ☑Chrome DevToolsの「Ads」パネルで、何が広告と判定されているかを確認する。意図しないタグやウィジェットが広告扱いになっていないかも見る
  • ☑Core Web Vitals(LCP・INP)と並べて評価する。広告の重さが大きいページでINPやLCPが悪化していないか。広告スクリプトの遅延読み込みや枚数削減で両方の改善を狙う
  • ☑ECサイト本体は自己診断6項目で自社バナー・ポップアップを棚卸しする。特にモバイルのファーストビューで、商品情報より先に何が表示されているかを確認する

やってはいけないこと

注意
広告指標には目標値が存在しないため、「この数値以下にすれば順位が上がる」という判断はできません。数値を下げること自体を目的にして広告をやみくもに外すと、収益だけが減る結果になりかねません。あくまでユーザーがコンテンツを読みやすいか、商品ページへ進みやすいかという体験の改善と、その結果としての数値変化を追う姿勢が重要です。

また、この指標は「実験的」と明記されており、定義や集計方法が今後変わる可能性があります。月次で定点観測しつつ、Chromeの公式文書の更新も合わせて確認しておくと安心です。

まとめ

今回の出来事を整理すると、次のようになります。

  • 2026年9月15日、ChromeがCrUXに4つの実験的な広告指標(広告数・広告密度・広告の重さCPU/通信量)を追加しました。
  • 9月22日、Google検索のページエクスペリエンス文書にもこの指標が掲載されましたが、Googleは「サイト評価のための参考指標」であり、すべてが直接のランキング要因ではないと説明しています。
  • 対象はChromeが第三者広告と判定したもので、ads.txtのないサイトは集計されません。第三者広告のないECサイト本体には、直接のデータは生成されません。
  • 一方で「過剰な広告を避けているか」はページエクスペリエンスの自己診断項目として以前から存在し、今回それを測る実ユーザーの数値が初めて公開されました。

当社としては、これを「新しい罰則」ではなく、「広告とユーザー体験のバランスを、感覚ではなく数値で議論できるようになった機会」と捉えています。広告を掲載しているオウンドメディアは早めに現状値を把握し、ECサイト本体は自社バナーやポップアップを同じ基準で見直すことが、遠回りのないSEOにつながります。

SEO対策のご相談はお気軽に

株式会社ALL WEB CONSULTINGでは、ECサイトを中心に、SEO戦略の設計からコンテンツ改善、アルゴリズムアップデートの影響調査まで、実務に即した支援を行っています。オウンドメディアの広告配置とCore Web Vitalsの両立、ECサイトのページエクスペリエンス診断など、今回のようなGoogleの仕様変更をふまえた具体的な対応もご提案します。お気軽にご相談ください。

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この記事を書いた人

株式会社ALL WEB CONSULTING
代表取締役

江守 義樹(えもり よしき)

WEB解析士協会 上級WEB解析士



ネットショップ店長として0ベースからショップ運営を行い約1年で月商1,000万規模のショップに育成。

その後、ECサイト専門のコンサルティング会社に勤務し、月商数億規模のサイトから立ち上げたばかりの小規模なサイトまで数百社のECサイトのサポートを行う。

2018年に前身であるLOCUSコンサルティングを創業。

2020年ECサイト・ネットショップ支援に特化した株式会社ALL WEB CONSULTINGを創業し代表取締役に就任。

データアナリストとしてサイト解析を軸にした戦略的なSEO対策、サイト制作、WEBプロモーション、などEC支援全般のスペシャリストとして活動中。

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